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脱原発・東電株主運動
NUCLEAR PHASE-OUT TEPCO SHAREHOLDER'S MOVEMENT
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2013年株主提案権行使の最終報告
今年の株主提案の株主数、株数が確定しました。以下の通りです。

株主提案権行使の有効数:348名
株数:3,536個(353,600株)


今年もお陰さまで、株主提案権に必要な300個(3万株)を大きく上回ることができました。
共同提案にご参加いただいた株主様に、心よりお礼申し上げます。

また、これを機に株主運動にご入会いただいた株主様も既に50名を数えます。
たくさんのカンパもいただきました。ありがとうございました。
株主提案議案を提出、グリーンピース・ジャパンも株主提案に参加
脱原発・東電株主運動は4月26日、チェルノブイリ事故発生の日に、354人の脱原発株主の共同株主提案を東電に提出しました。なお株主数、総株数は未確定です。

今回はグリーンピース・ジャパンが株主として株主提案に参加し、株主提案の作成にもご協力いただきました。
ありがとうございました。
グリーンピース・ジャパンは同日、以下のようなプレスリリースを発表しています。

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プレスリリース - 2013-04-26
東電株主、脱原発を求める株主提案を提出:
グリーンピース・ジャパンも提案に参加――チェルノブイリ事故発生の日に

脱原発・東電株主運動(世話人 木村結)は、本日26日、東京電力株主総会に向けた株主提案議案を、脱原発を求める株主たち354人の賛同を得て、東京電力に提出しました。国際NGOグリーンピース・ジャパンは、昨年東電株を取得して脱原発・東電株主運動に参加しており、今回の株主提案の一つとして、福島第一原発の原子炉メーカー(以下サプライヤー)の責任を問う内容の議案を出しています。本日は、チェルノブイリ原発事故が発生してから27年目となります。(以下略)

全文は以下のリンクからお読みください。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2013/pr20130426/
私たちの株主提案議案にご賛同ください(賛同の受付は終了しました)
 国の資金(私たちの税金!)を注入して新生したはずの東京電力は、福島第一原子力発電所の事故後も変わらぬ、ずさんな放射線管理、情報の隠ぺい、責任のなすり合いを続けています。福島の子どもたちは線量の高い土地で暮らすことを余儀なくされています。
 甲状腺がんが既に3人見つかるなど、子どもだけでなく、妊婦や原発作業員の健康被害も心配です。

 長い間、安定株で老後の資金に、といわれた東電の株価の暴落に、人生がすっかり狂ってしまった方もいらっしゃると想像します。しかし会社の経営陣、社員は事故翌年の夏のボーナスをカットされただけ、冬のボーナスは事故前に戻されました。給与や年金のカットもJALなどと比べると微々たるものです。こんなことが許されるのでしょうか。
 多くの個人や自治体、そして「トモダチ作戦」に参加した米兵150人以上からも訴訟を起こされています。もちろん福島県民への賠償もまだ道半ばです。

 私たち脱原発株主の有志は歴代の取締役に対し、事故の責任を取って5.5兆円を支払い、賠償費用にせよ、という株主代表訴訟を起こしていますが、被告である勝俣前会長以下だれ一人として裁判所に出廷せず、補助参加である会社代理人のみ出廷という無責任さです。

 裁判の証拠資料作成の過程で、過去の地震に対する解析データの不遜なまでの軽視、柏崎刈羽原発の中越沖地震での被害の教訓無視、事故防止策の経費削減などが次々と明らかになりました。その結果があの取り返しのつかない事故です。チェルノブイリ事故以上の被害になるだろうと予測されている今、東電と政府の事故処理対応のずさんさに怒りと無念さを日々感じています。

 私たち脱原発をめざす株主にこれからできることは、原発の再稼働を許さないこと、廃炉原発の安全管理の確立、事故処理に当たった作業員の一生の健康管理の保障です。それが、福島原発由来の放射能を浴び続けざるを得ない全世界の人々への謝罪となると考えます。どうぞ、私たちの議案にご賛同ください。
2013年3月24日
脱原発・東電株主運動事務局

※2013年の脱原発株主提案議案への賛同を募るため、2013年3月24日に発送された書類より。
賛同の受付は終了しました。たくさんのご賛同ありがとうございました。
●東電の株主の方は、私たちの株主提案にぜひご賛同ください。
 下記のリンクから、提案株主になるための書類をダウンロードできます。
参考書類(1)~(3)をよく読んで、送付書類(1)~(3)をお送りください。
 申し訳ありませんが、送料、手数料等はご負担ください。
 送付書類(1)と(2)は3月28日~4月18日の間に郵送または提出
 送付書類(3)は4月22日必着です。
 詳しくは株主提案マニュアルをお読みください。
●株主提案議案賛同のための各種書類のダウンロード
参考書類(1)2013株主提案確定版.pdf
送付書類(2)2013送付先指定書.pdf
送付書類(3)2013合意書用紙.pdf
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東京電力第89回定時株主総会 共同株主提案議案

(注)議案は内容の趣旨を変えない範囲で字句を修正することがあります。
※議案内容を修正しました。東電の定款の体裁に合わせ、議案の条文を分かりやすくしました。議案の趣旨は変わりません。(4月24日)
下の「続きを読む」をクリックすると株主提案が表示されます。
続きを読む
もんじゅは既に「廃炉」にされていた――点検「先送り」という名の放置状態
 衝撃的なニュースが流れている。
 「原子力規制庁が高速増殖炉『もんじゅ』の立ち入り検査を開始」と各社一斉に報じたのが2月14日の朝刊。
 本来行っていなければならない機器類の点検がされておらず、放置されていた問題で、規制庁が「組織的に行われていた可能性」を調べるというのだが、こんなことが「個人的に」行われるわけがなく、一体何を調べるつもりなのか。またしても「おざなり調査」ですまそうというのか。

 本来なら直ちに「原子炉等規制法違反」で刑事告発し、内閣総理大臣によりなされていた原子炉設置認可を取り消す手続きを開始すべきことだ。
 検査されていなかった機器類は報道では「9847個」。この中には非常用ディーゼル発電機までも含まれている。

 要するに「もんじゅ」は実質廃炉になっていた。そう考えなければ、このような事態は理解できない。原子炉として動かすことはもう二度とないから、非常用ディーゼル発電機までも点検せずにほったらかしにしていたということだ。

 もんじゅには年間200億円以上もの費用がかかっている。しかしその費用は安全設備の点検にすら使われていなかった。では何に使っていたのか。もちろん冷却用電源を購入する資金も含むだろう。人件費もあるだろう。しかし安全保護設備の点検費用には使われていなかった。この費用はどこに消えたのか。

 言うまでもなく、予算を立てて決裁を得、さらに国から予算配当を受ける中には、設備点検費用も含まれている。その費用が「はした金」であるはずがない。つまり、行ったことにした点検費用は組織的にプールし、何かに流用するなどしていた疑いもある。これもまた刑事事件になり得る。

 普通なら検査をしたのならば費用を受け取る業者がいる。では、検査もせずに受け取った業者がいるのか。あるいは検査をしたことにして、さらに業者に支払ったことにして、どこかにプールしたのか。その資金はどうなったのか。

 もんじゅ火災事故以来、ここを巡り様々な疑惑事件が起きていた。最大のものは西村成夫さんの「自死」=「殺害」疑惑だ。

 その後も燃料交換器落下破損事故を巡り補修関係の管理職員が謎の「自死」をしている。
 人の命を奪う原子炉が、今度もまた疑惑事件の中心を成している。またしても同じような「自死」が起きないか、極めて危険な状況だと思われる。

 「もんじゅ」は事実上「廃炉」だった。このことの意味は重い。安全保護設備を運転可能な状態に置くことさえしないで放置していた原子炉を、そもそも動かすかどうかなどと論ずるまでもないことだ。今すぐ原子炉廃止措置を実行するしか、残された道はない。(Y)
*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.225(2013年2月17日発行)に掲載されたものです。
【集会のご案内】 核心に入った東電株主代表訴訟、3月16日開催
東電株主代表訴訟、脱原発・東電株主運動、ふぇみん婦人民主クラブの共催で開催されます。ぜひご参加を。
*終了しました。詳しくは東電株主代表訴訟のブログをご覧ください。
以下、東電株主代表訴訟ブログから転載です。ブログではチラシのダウンロードもできます。訴訟関係の情報が随時アップされていますので、定期的にチェックを。
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取締役のサイフから
5.5兆円を損害賠償に!
トーク、パネルディスカッション&報告

日時:3月16日(土)開場13:30 開演14:00~16:00
場所:渋谷商工会館2F大研修室(収容人数300人)
最寄駅:渋谷駅徒歩2分
参加費:1000円
■第1部
あいさつ/河合弘之(東電株主代表訴訟弁護団)「裁判の意義と進捗状況」
トーク/おしどりマコ・ケン(3.11福島原発震災後、東電の会見に常時出席)
■第2部
パネルディスカッション
東電テレビ会議で見えてきたこと&ずさんな地震・津波対策
パネラー 
海渡雄一(東電株主代表訴訟弁護団)
木村英昭(朝日新聞記者、『プロメテウスの罠』)
吉岡 斉(「福島原発事故・政府事故調」委員、九州大学副学長)
※コーディネーター:おしどりマコ

主催:東電株主代表訴訟 脱原発・東電株主運動 ふぇみん婦人民主クラブ
協賛:週刊金曜日

書面のやりとりに終始する一般的裁判とは違い、原子力ムラの歴史から原発の仕組みにいたるまで、たくさんの資料や図解で“見える”原告側プレゼンテーションは、傍聴者にもわかりやすいと評判です。
福島原発震災事故で唯一、個人責任を追及している訴訟です。
この訴訟をとおして、東電テレビ会議の様子が明らかになりました。
3.11以降、ひんぱんに東電本社会見に出席し、大手メディアが聞かないようなことを鋭く追及し続けている「おしどりマコ・ケン」さんに東電の隠された真実をコントで“魅せて”もらいます。
楽しく学べる[東電株主代表訴訟]にみなさんお誘い合わせの上、ご参加ください。

問合せ:090-6183-3061(木村)
e-mail nonukes0311★yahoo.co.jp (★をアットマークに変えてください)
ブログ http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/
フェイスブック:https://www.facebook.com/tepcodaihyososho
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原子力規制委員の悔恨と糾弾
 東京電力の津波予見性に関して、ある地震学者が地震学会誌の9月号(季刊第65巻)に、悔恨の弁を展開している。それは『過去になかったものは将来もない』とする東電、土木学会、中央防災会議の固定観念を糾弾するもので、「これが、いわゆる『想定外』の津波災害と原発事故とをもたらした」としており、12月13日の株主代表訴訟第4回口頭弁論において重要な原告側証拠として示された。

 東京電力がしばしば抗弁する「波源モデルが未確定」とはいったいどういう意味か。波源とは、地震でいえば活断層と考えればいい。津波は、地下の断層の上下方向のずれによって、その上部海面が上下することから発生する。つまりどの領域の海面が隆起もしくは沈降するかが重要だ。隆起すれば押し波、沈降すれば引き波となる。

 3.11では非常な高さに盛り上がり四方八方に巨大な量の海水が押し寄せていった。似たような経験が1896年の明治三陸地震であり、2万の犠牲者を生んだ。その波源は三陸沖の東、日本海溝に沿った領域であり、同じことは長大な日本海溝沿いに起こり得ると考えるのは極めて自然だと思われる(海溝沿いの浅い地盤は、岩盤の性質が柔らかいために、強い地震波は出さないが、津波は脅威となる)。

 事実、文科省の地震調査研究推進本部(以下、推本)では、2002年7月末に「三陸北部から房総沖の海溝寄りのどこでも明治三陸地震級の津波地震が発生する」とした報告書をまとめた。これが、当時全国のハザードマップ作成に取り組んでいた推本の「長期予測」であって、単に一地震学者や学者グループ、研究施設による研究成果ではなく、東京電力にしてみれば最高の学問的権威であったはずである。

 ところが上には上がいる。内閣府の中央防災会議(以下、中防)だ。東海地震の防災のために設置された中防から横やりが入り、発表を見送れ、さもなくば報告書に『信頼性が低いから防災には考慮しなくていい』という趣旨の前書きを付すようにときた。防災対策に多大の投資をすべきか慎重な議論が不可欠である、と政府の防災機関にあるまじき文言が示されていた(『文藝春秋』2012年5月号、柳田邦男)。

 さらに1年後には、中防に東海地震に次いで2つ目の専門調査会を設置、日本海溝・千島海溝によるプレート境界型地震に関する防災対策に着手する。意図は結果をみれば明らかである。2004年5月、この地域の研究の先端を行く学者委員たちの反対を押し切って、事務局案が確定。福島県沖と茨城県沖は除かれたのだった。

 この時点で、この領域に関する過去の津波堆積物調査と貞観地震津波の研究は進んでおり、800キロにわたる日本海溝のうち明治三陸津波は200キロ程度、貞観津波による堆積物は福島県相馬市でも確認などを前提に、地震空白域(実は人間が知らないだけ)においてまれに起こる巨大津波地震を想定すべきとして前述の固定観念と対立した。

 その後、堆積物調査はさらに進み、先の長期予測の改訂版を準備中に3.11を迎えてしまった。中防で推本の長期予測通り確定していれば、両県の自治体の防災対策を促していたはず、今回の多大な犠牲者は両県に集中すると冒頭の地震学者は慨嘆する。自身も中防の委員であった。

 その人は島崎邦彦。新規制委員会の委員長代理を務め、敦賀・大飯の活断層見直しを握る時の人。文春記事にあたって柳田邦男のインタビューを受け、水俣事件等々の公害事件を予測しながら被害を拡大した行政責任を学んだという。

 1ト月ほど前、島崎氏の講演後、質問にさいして同じ言葉を規制委への要望として伝えたが、残念ながら返事はなかった。今度こそ圧力に屈しないでもらいたい。(A)

*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.223(2012年12月16日発行)に掲載されたものです。
【重要】東電株主代表訴訟/1月10日の口頭弁論はキャンセルになりました
購読者の皆様に先日お送りした「脱原発・東電株主運動ニュース」No.223号(2012年12月号)において、東電株主代表訴訟の第5回口頭弁論が1月10日(木)に行われることをお知らせしましたが、この口頭弁論はキャンセルになりました。
次回の口頭弁論は2月21日(木)10時半~東京地裁103号法廷です。

詳しくは東京電力株主代表訴訟のブログをご覧ください。
http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/
現実を見据えた原子力防災を要求する
 原子力防災は、原発を止める大きなきっかけになり得る。しかし一方では誤った方針に基づき「現実的に可能な範囲で」などとする防災体制作りがされれば、さらに住民を危険にさらす結果になる。福島第一原発震災で経験したとおりだ。そのためにも、住民の視点から厳しく検証・批判を加える必要がある。

 さっそく、原子力規制庁の拡散予測図がいくつも誤っていたことが明らかになった。それを北陸電力(すなわち規制される側)から指摘されたというから、原子力安全・保安院時代から何も変わっていない規制側の程度の低さが露わになった(実際の計算はJNES・原子力安全基盤機構が行ったという)。

 この種のシミュレーションは、何度も何度も繰り返し検証をしてはじめて「一定の信頼性」が出る。通り一遍で「ハイできました」にはならない。やってみると「あれおかしいな」という点がいくつも出るはずだ。プログラム上のバグもあるだろうし、投入したデータが誤っている場合もあるだろう。実際に災害が起きてみて見当方針が間違っていることを知る場合もある。バグ取りやデータの修正や方針変更を繰り返して「一定の確からしさ」を見つけるのは簡単ではない。その結果、ようやく見劣りしない程度のものができる。

 ところが今回のシミュレーションはとんでもない計算をしている。特にひどいのは「地形を考慮しない」ことだ。理由は「計算が大変だから」では小学生の試験問題かと言いたくなる。それでは何の知見も生まれない(計算が大変だからと円周率を3で計算させるようなものという含意)。

 福島原発震災を見れば、地形が最も重大な影響を与えたことなど既に周知のこと。特に福島の人々にとって死活的なのは地形だった。その程度のことは今では世界中が認識している。

 特に背後に山を持つ地形が多い原発の場合、上空の風向とは全く異なる方角に高濃度のプルームが出現することなど当たり前に起きる。距離が離れているからと止まっていれば、大変な被曝を引き起こす可能性がある場所もある。そのような場所は、実際に事故が起きる前に地形データであらかじめ絞り込む必要がある。それこそが防災の基本ではないか。

 大雨が降ると深層崩壊が起きるという「定性的」条件で川沿い集落全部を避難地域にしてしまったら、かえって避難場所さえなくなる。そんな防災計画では、いざというときに何の役にも立たない。深層崩壊を起こす「地形的特徴」こそが最重要な情報であることを知らない防災関係者はいない。原子力防災の場合は、地形の他に天候の影響が極めて高くなる。風よりも遙かに甚大な影響を与えるのは雨と雪だ。特に柏崎刈羽原発の場合、豪雪地帯の魚沼地方が広範囲に含まれる。

 大雪の中で避難するなど自殺行為だし、大量の放射能を含む雪に閉ざされ避難できなければ累積100ミリシーベルトどころではない。雪が降り出せば自動的に防災対策は事実上不可能になる。そのような施設は泊、東通、大間、女川、福島第二、六カ所再処理工場、志賀、島根、玄海などだ。

 もともと原発事故のシミュレーションは「起こる可能性がある」事故ではなく「実際には起こるとは考えられない事故」仮想事故を想定していた。それですら8~10キロが対策範囲であった。いかに事故想定が甘かったかが分かる。放出放射能の割合がヨウ素でも炉内量の100万分の1程度でしかない。

 東電柏崎刈羽原発が、風下40キロを超えて防災エリアが拡大したことで大きな「事件」になっている。しかし1週間100ミリシーベルトにも真実は存在しないし、地形が加味されていないデータで、さらに「97%値」の風向を採用することにも疑問がある。本来ならば最も厳しい気象条件を選ぶべきだ。

 「97%値」とは何か。例えば子どもの体重や身長記録データなどを小さい順に並べ、100人ならば3人目が「3%値」、97人目が「97%値」となる。母子手帳にもある「乳児発育パーセンタイル曲線」のグラフである。ある子どもについて全体の中での発育状況がわかる仕組みだ。

 しかしこの方法を使ってできるのは、例えば大気汚染のように長期間にわたる有害物質に曝露した影響が、どの地域により大きく出るかといったようなケースだ。

 これと緊急時の原子力防災では意味合いがまるで違う。原子力災害はあるとき突如、大量の放射能放出を引き起こす。勝負は事故後10日程度、その間にどれだけ避難態勢が取れるかだ。

 例えば16方位で100%を割れば、平均出現率は6.25%である。まんべんなく風が吹くとしたら、一方位あたりの確率は6.25%でしかない。時間にして548時間分である。それに対して3%で足きりを掛ければ、262時間分が切り捨てられる可能性がある。年間10日分にも相当する。それが全方位のうち5方位で出現すれば50日分のデータが消えるかもしれない。その消えた方位で風が吹くとき事故が起きる可能性は無視できないし、風が回るときには様々な方位を経ていくだろう。

 また、事前評価において全方位にまんべんなく風が吹くような立地環境だと、全方位に距離が出るが、一ないし二方向に卓越する環境だとそれ以外の方位には距離は出現せず「0」になってしまいかねない。前者は玄海原発、後者は東通原発と浜岡原発だ。玄海では15方位に距離が出ているが、東通と浜岡は半分の8方位が0である。「一番遠くまで出た方位を基準に、全方位をその距離まで対策する」という使い方がせいぜいだろう。それでも30キロ圏が最低保障になるのかどうか。今後の議論は重要だ。

 多くの原発では、30キロ圏までしか「緊急時防護措置準備区域」に設定しないだろう。しかしこの外側でも優に1週間で数十ミリシーベルトに達することになるわけだから、年間1ミリどころではない。1年間で20ミリシーベルトさえ大きく超える。仮想現実(シミュレーション)ではなく、そんな現実からも目をそらさせない取り組みが必要だ。(Y)

*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.222(2012年11月18日発行)に掲載されたものです。


プロフィール

脱原発・東電株主運動事務局

Author:脱原発・東電株主運動事務局
私たちは1989年以来、株主の立場から脱原発を訴えています。ぜひ会員になって活動を支えてください。株主でなくてもなれます。ニュースを年10回発行。年会費2000円です。
郵便振替口座 00180-3-653582(加入者名:脱原発・東電株主運動)

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