脱原発・東電株主運動
NUCLEAR PHASE-OUT TEPCO SHAREHOLDER'S MOVEMENT
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私たちの株主提案議案にご賛同ください(賛同の受付は終了しました)
 2011年の東日本大震災から4年が経ち、多くの人が原発事故を忘れているかのような日本に2月末、衝撃が走りました。福島第一原発で高濃度に汚染された雨水が海に流出していたのです。

 東電は昨年4月から把握していたにもかかわらず、雨水に関しては全く管理対象にもせず、降った雨は敷地内で汚染され、そのまま外洋へ垂れ流しになっていました。そしてその言い訳が「雨水だから仕方がない」と思っていた、市民と東電で優先順位が異なっていた、というのです。

 過酷事故の反省がないばかりか、東電全体が感覚が麻痺していると言わざるを得ません。この汚染水漏れは、日本ではなぜかそれほど大きく報道されていませんが、海外のメディアでは大きく扱っています。

 こんな東電を変えるために東電の株主として、原発からの撤退を示し、過酷事故を起こした会社として社会的責任を果たす記念すべき株主総会にしましょう。

 本年6月の株主総会にご欠席の場合は、東電より送付されます議決権行使は白紙委任(議決権行使書を白紙で投函することは原発推進につながります)、または棄権されることなく、ぜひとも私たち脱原発・東電株主運動が提案する株主提案議案にご賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
2015年3月22日
脱原発・東電株主運動事務局
〒216-8691 川崎市郵便事業株式会社宮前支店 私書箱19号

※2015年の脱原発株主提案議案への賛同を募るため、2015年3月22日に発送された書類より抜粋。
賛同の受付は終了しました。たくさんのご賛同ありがとうございました。
 株主の方は総会に出席して、あるいは開催通知の返送時に、ぜひ私たちの株主提案に賛成してください。

東電の株主の方は、私たちの株主提案にぜひご賛同ください
 下記のリンクから、提案株主になるための書類をダウンロードできます。
参考書類(1)と(2)をよく読んで、送付書類(1)~(3)をお送りください。
 申し訳ありませんが、送料、手数料等はご負担ください。
 送付書類(1)と(2)は3月30日(月)~4月16日(木)の間に郵送または提出、
 送付書類(3)は4月23日(木)必着です。
 詳しくは株主提案マニュアルをお読みください。

●株主提案議案賛同のための各種書類のダウンロード
参考書類(1)2015株主提案.pdf
参考書類(2)2015株主提案マニュアル.pdf
送付書類(1)2015送付先指定書.pdf
送付書類(2)2015個別株主申出書.pdf
送付書類(3)2015合意書用紙.pdf
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東京電力第91回定時株主総会 共同株主提案議案
※東電の定款の体裁に合わせるなど、議案の文章を一部修正しました。議案の趣旨は変わりません。(4月24日)

下の「続きを読む」をクリックすると株主提案が表示されます。
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「ふくいち」の今と再稼働問題
1 1~3号機燃料プール
 4号機の使用済燃料プールの燃料取り出しが完了したことは、一つの朗報ではある。しかし1~3号機と5、6号機は燃料プールからの使用済燃料の取り出しは終わっていないことを忘れてはならない。特に3号機の燃料プールは4号機と同様に建屋の損傷があるため、危機的状況が依然として続いている。

 1、3号機はオペレーションフロアが爆発で破壊され、作業の前に瓦礫の撤去などの事前処理をしなければならないが、一昨年に粉じんなどの飛散防止剤を散布する際、薄めすぎて効果を無くすような「散布」をしていたなど、依然としてやっていることが信じがたいレベルの杜撰さである。

 2号機は建屋が一見健全なだけに、オペレーションフロアなどの高濃度放射線の作業環境を解消することができない。そのため燃料取り出しの目処すら立っていないのが現状だ。
 今年は使用済燃料プールの安全性確保のためにも重大な年になるだろう。

2 汚染水対策
 深刻化し続ける汚染水問題について、東電はトレンチの汚染水を今年度中に「回収」完了する目標を掲げていた。安倍首相の「アンダーコントロール発言」に応じたものだが、無責任な発言に振り回されることになった。

 汚染水から大半の放射性物質を除去する「多核種除去設備(ALPS)」は9~10月に2基を追加し、試運転ながら3基体制で汚染水を処理してきた。しかし毎日数百トンずつ増え続ける分も処理しなければならず、現状を維持するのがやっとのありさまだ。

 汚染水の量を抑制しようと昨年5月に、建屋へ流れ込む前の地下水を35メートル盤の位置で井戸からくみ上げ、海へ放出する「地下水バイパス」を、地元をはじめ多くの反対の声を押し切って強行したが、実効性は見えない。

 6月には1~4号機建屋周囲の地盤を凍らせて地下水の流入を遮断する「凍土遮水壁」の工事を始めたが、埋設物が多数あるので、その干渉を避けて工事は進んでいる。特に海側のトレンチ(海水配管やケーブルが通る地下隧道)内の汚染水を抜き取る作業は難航している。

 現在、トレンチにはセメントの注入が続けられている。しかしトレンチの底部には津波により持ち込まれた土砂が堆積し、これに高濃度汚染水が含まれてしまい、除去不能な状態になっている。

 セメントでトレンチ内を固め、汚染水を抜き取ったとしても、土砂の層に含まれる放射能のために、トレンチの亀裂から地下水が流入して汚染水となり、それがまた漏れ出す。背に腹はかえられぬとばかり、大規模な漏えいにつながるトレンチ内の汚染水除去を優先するためコンクリート注入工事は続行されているが、将来に大きな不安を残した。
 結局、年度内の汚染水撤去は断念することになった。

3 見通せない将来
 2号機のトレンチにはタービン建屋から流れ込んだ汚染水が約5000トン溜まっている。再び大地震や津波が発生したら汚染水の大量漏えいにもつながりかねない。東電はコンクリートに押されて汚染水が完全に除去できると考えた。しかしトレンチには津波で運ばれた土砂などが大量にあることが昨年11月に明らかになった。東電の推定でも砂に約25トンの汚染水が含まれるとするが、実際に計れているわけではない。

 トレンチの底は地上から約12メートル下。「セメントでふたをしたような状態」になるため、今後の回収はますます困難だ。
 トレンチ付近の空間線量は常時、毎時1ミリシーベルト程度と高いため、作業は極めて困難である。

 さらに東電は、原発周辺に設置されている汲み上げ井戸「サブドレン」からの地下水を海に放出する計画を立て、地元漁協などに同意を迫っている。しかしこの水には大量のトリチウムが含まれており、これは除去できないのでトリチウムの放出経路になる。これが新たな海洋汚染を引き起こすことを懸念し、漁業者を中心に強い反対の声が湧き上がっている。

4 再稼働の問題点
 航空機事故であろうと列車事故であろうと、事故原因の究明と再発防止対策が出来なければ運行停止が当然。福島第一原発事故は本当の原因も解明されたとは言えず、再発防止など検討の域にすら達していない。東電も過去に起きた事故、例えば福島第二原発3号機事故では、再発防止対策がされなければ再稼働が出来なかった。

 3.11以降は、原発で過酷事故は必ず起こり得るものとして、電力会社が対策を取ることは最低限の条件である。少なくとも老朽炉を中心に廃炉とすべき原発が確実にいくつもある。特に第1世代及び老朽化により問題のある加圧水型軽水炉と沸騰水型軽水炉は全て動かすべきではない。(敦賀、女川1、島根1、東海第二、浜岡3、美浜1~3、高浜1,2、大飯1,2、伊方1,2、玄海1,2、川内1,2)

 それさえ守れない現状では、次の原発震災は日本を壊滅させるということを、国や電力及び「原子力ムラ」には繰り返し再認識させなければならない。

5 事故対策や防災体制なし
 米国やヨーロッパの原発では、原発の安全性対策と防災体制がセットで機能していなければ稼働できないとする考え方が一般的である(IAEAの深層防護第5層)。それでも形骸化や非現実的体制などの問題が多くあるのだが。

 再稼働の前提条件としては、過酷事故対策が構築され、仮に福島第一原発事故以上が発生しても、被曝する前に住民を避難できるような体制を国が主導して作る必要がある。しかし実際には、地方自治体に原子力防災を丸投げした状態である。いうまでもなく財政規模や人員配置などからも、実際には住民を守ることが出来ないことは誰の目にも明らかだ。

 防災計画を策定するのならば、国が責任を負うべきだが「国と自治体は対等の立場」と言いつつ責任だけを自治体に丸投げしている。これで再稼働するのか、というのが実際のところ。各自治体住民こそが「命を守れない」と立ち上がるべきだ。

6 再稼働の順番とは何か、再稼働の合理性もなし
 川内原発の再稼働を最も早くすべき合理的理由は何もない。基準地震動の策定を規制委員会の要請どおり620ガルに設定したことで、規制委の優先審査対象になったというだけだ。
 ところが途中から、火山ガイドラインなど川内原発にとって死活的に重要な安全基準が必要になったのに、火山の専門家も参加させず、火山憤火予知連が噴火を予知(予測)することは困難としていたのに、事業者(九電)が火山対策ができるという「作文」を出しただけで通ってしまった。川内の次も、なぜ高浜かという説明も合理的なものはない。言うまでもないが電力(エネルギー)不足などでは全くない。

 どうして原発の再稼働が必要なのか、国のみならず自治体の首長や議会も住民に説明すべきである。特に立地自治体は周辺自治体に重大な危険をもたらす責任があるのだから、周辺自治体は立地自治体に対して納得できる再稼働容認の説明をさせなければならない。

 重大事故が起きる可能性がある以上、損害賠償についても、再稼働を容認した自治体にも応分の負担(事故の賠償だけでなく保険金の負担なども含めて)をさせるべきだ。それでも原発を選びますか?と。(Y)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.245(2014年2月15日発行)より。
東電株主代表訴訟――これまでの経緯と展望
はじめに
 2011年3月11日の東日本大震災に起因する福島第一原発震災は、発生から4年が経とうとする今でも、約12万人もの人々から故郷を奪い、生きる場を奪っている。
 空間線量が年間1mSvを超える地域は依然として広大に広がり、除染の効果も限定的なのに、高い線量地域においても帰還が行われている。

 未曾有の原発災害を引き起こしたにもかかわらず、東電経営陣をはじめ刑事責任を問われた者はいない。少なくとも損害を被ったり生計を立てられなくなったりした被災者の損害を弁償するくらいは東電経営者が率先してすべきだが、自ら私財をなげうった者はいない。もちろん東電に賠償責任はあるが、それすら遅々として進んでいない。金額は「査定」で値切られて、平均は請求額の半分以下だという。

 賠償金の原資は、市民の支払った電気料金である。これもおかしな話で、例えば東電管内の被災者は自ら支払う電気代から賠償を受けることになる(ただし現在は累計約4兆4000億円を国の原子力損害賠償・廃炉等支援機構から交付を受けて被災者に支払っている。つまり国費で賄っている状態)。

提 訴
 そもそも東電の引き起こした災害は、東電経営者がまず弁償をすべきであるとし、2011年11月、東電株主が「東電取締役に対する訴え提訴請求書」を東電に提出した。これに対しては12年1月に「訴えない」とした旨の「不提訴理由通知書」が送付された。
 そこで12年3月5日、現在と過去の経営に責任を有する取締役27名に対して「株主代表訴訟」を起こした。この訴訟は株主でなければ提訴できないので、「脱原発・東電株主運動」の会員が原告の中心である。
 裁判の結論が出るのはもっと先だが、その経過で重要な成果がいくつも出ている。

テレビ会議録の公開と吉田調書
 12年6月に始まる口頭弁論で裁判がスタートし、当時から話題になっていた事故当時の本店、原発(福島第一・第二、柏崎刈羽)をつないでいるテレビ会議の映像音声記録を公開するよう求めるとともに、東電に破棄されないようにするため証拠保全の申請をした。現在もテレビ会議録のコピーは裁判所が保管している。このこともありテレビ会議録の公表へとつながった。その結果、震災当時は分からなかった多くの事実が明らかになった。
 なお、東電による記録の公開は「政府事故調査委員会報告が出た後に」行われた。事故報告書に影響を与えるのを避けたとみられる。

 さらに、政府事故調査委員会が行った聴取記録の公表も迫った。これも現在は一部が公開されている。特に吉田調書として知られる、第一原発所長だった吉田昌郎氏の証言が、一部マスキングされてはいるものの公開された。なお、その他の証言録は公表を望まない人の分は公表されていない。株主代表訴訟の被告人の記録も有るのだが、全く公表されていない。
 これらの記録はいうなれば「多大な犠牲を払った国民全ての財産」である。全て公表してしかるべきものということに変わりはない。

補助参加人
 訴えは取締役個人に対して起こされた。東電を訴えているわけではない。むしろ取締役に損害賠償請求を行うように東電に求めているが、「補助参加人」という立場で敵対的に訴訟に参加してきた。これもまた、「どっちを向いている会社か」を明確にしたものだ。被災者への賠償よりも取締役個人の利益を守ろうとする姿勢だ。

 原発震災については、大きく2つの局面で責任が問われている。一つは「予見可能性」、もう一つは「結果回避可能性」である。
 原発を保有し運転してきた東電の責任は、その経営者こそが「発電方式」として原発を選択し、福島(双葉、大熊、楢葉、富岡町)と新潟(柏崎市、刈羽村)に立地したことにある。自動的に行われたわけではなく、経営者の判断と選択によるものだ。
 自然災害により原発が過酷事故(シビアアクシデント)を引き起こすことを予見し、それを回避する義務が経営者には当然にしてある。その義務を怠った経営者にこそ賠償をする第一義的義務がある。

予見可能性
 原発事故の「予見可能性」とは、過酷事故につながる可能性のある事態が発生することを前もって分かるかということだ。「何年にもわたり学会・委員会等の調査・研究報告等により可能性を指摘され、東電自身の試算でも“津波対策”は不可欠であったとの結論にもかかわらず、十分な対策を取らなかったこと、最善の対策である『原発の停止』をしなかったことは善管注意義務違反」と原告は指摘した。

 背景には「原発震災に至るまでの約9年間の諸研究や中越沖地震の教訓などから、被告らは炉心溶融事故を十分予見可能。3.11の4日前には東電自ら過去の大地震を踏まえた試算結果を保安院に報告している事実」が明確に存在するからである。

結果回避可能性
 原発事故の「結果回避可能性」とは、仮に地震や津波に遭遇しても過酷事故に至らないよう、建設や設備や運転管理において対策をすべきことを言う。安全性を考慮して安全保護系統を地震や津波に十分耐えられる構造にするとか、津波対策ならば海抜の高い場所に重要機器を設置するとか、緊急時に備えた対策を策定し、日々訓練と共に十分な対処が出来るように更新を続けるなど、いろいろ考え得る。

 過酷事故が起きても放射能大量放出に至らないように、過酷事故対策を準備するとか、追加の支援策を投入するなどもあるだろう。もちろん最良の結果回避可能性は、事故前に原発を廃炉(または長期休止)にすることであるのは言うまでもない。

津波評価と対策
 東電の予見可能性に関連し、貞観津波などの知見について、収集してはいたが、土木学会原子力部会津波評価部会による津波波源の評価に基づき津波対策を行うこととして、津波評価検討の委託を行ったまま、具体的には何もしなかった。

 2008年の非公式検討のために行われていた会議で「土木学会の断層モデル策定により科学的かつ合理的な安全対策を実現すること」が決定された。福島第一原発震災を食い止める道が絶たれた決定的瞬間である。

 この決定に主に関与したのは、武黒、武藤両取締役である。これらの意思決定に繋がる重要情報は、吉田調書によれば「20年の6月、7月ころに話があったのと、12月ころにも貞観とか、津波体制、こういった話があれば、それはその都度、上にも話をあげています。」と証言している。勝俣会長と清水社長を含む被告人に情報は十分伝えられていたのである。原告は「不知」または報告が「実際上もなかった」なる認否ないし主張をすることは、それ自体嘘以外の何ものでもないと、準備書面10(14年9月25日付)で指摘している。

 この時点で既に敷地標高を超える津波が来る可能性は、多くの研究者により確実視されていたばかりか、東電自らのシミュレーションや試計算においても確認されていた。
 また、津波堆積物調査により、南相馬など原発から数キロのところにも痕跡が見つかっていて、貞観津波などが繰り返し襲ってきた歴史的事実が認められていた。東電自らも行っていた堆積物調査でも、知っていたことだと思われる。

 東電は少なくとも08年頃には対策に必要な情報を保有していた。第二原発の南側に位置する東海第二原発(茨城県東海村)では、別の波源情報に基づいたものではあるが、日本原子力発電は直前に海水ポンプについて対策を実施していた。これは2011年の津波にある程度効果があったことが認められている。
 同じ原子力事業者間でも対策に温度差があり、それが結果を異なるものとした事実は、東電の対応が如何に遅きに失しているかを物語る。「何もしない」ことを決定した経過にこそ、義務違反があると主張してきたのは、その意味でも正当なのである。

告訴のゆくえ
 株主代表訴訟とは別に、市民が東電取締役を含む責任者を「業務上過失致死傷罪」で刑事告訴している。そのうち3名の東電役員に起訴相当、1名に不起訴不当の決定が検察審査会により行われた。
 14年7月31日、東京第五検察審査会は、東京地検が13年9月9日に不起訴処分とした東電元幹部ら42人のうちの3人について、業務上過失致死傷罪で「起訴相当」とする議決を行い公表した。議決は7月23日付、議決書は7月30日付であった。

 検察審査会が「起訴相当」としたのは、勝俣恒久元会長、武藤栄、武黒一郎の両元副社長である。小森明生元常務については「不起訴不当」とした。榎本聡明、鼓紀男元取締役については、権限がないという理由で不起訴相当とされた。起訴相当の検察審査会議決が2回続けば、強制起訴となり、公開の裁判で福島原発事故についての刑事責任の有無が論議される、画期的な裁判が開かれることとなる。

 告訴は刑事責任を問うものであり、民事責任の追及とは異なる基準で行われる。起訴される基準のほうがより厳しい。すなわち起訴相当と議決されたことは、株主代表訴訟にとっても極めて重要である。

審理のゆくえ
 裁判は予見可能性を巡る原告側と被告側の準備書面や求釈明書の往復が続いている。要は文書上で議論をしている段階である。「認める、認めない」「不当だ、正当だ」といったやりとりが続くが、証拠は文献ないし図面等なので、今後は証人調べ、被告人の証言要請など、人への尋問などを求めていくことになる。
 吉田所長が亡くなった今は、証言に登場する記名、無記名の人々に具体的な経過について語ってもらいたいところである。

 これからも法廷内外で、調査、分析、立論、立証が続けられる。それが煮詰められた結果の集大成が、法廷に証拠書類として提出される。
 今後も株主代表訴訟原告としては、できる限りわかりやすいように、法廷においてのプレゼンテーションや資料の配付、販売を通して、東電取締役の責任を追及していこうと考えているので、ご期待願いたい。(Y)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.244(2014年1月18日発行)より。

東電株主代表訴訟ブログ
http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/
朝日新聞吉田調書報道は誤報ではない
朝日新聞吉田調書報道は誤報ではない
1F内待機指示はテレビ会議メモ、会見資料、保安院へのFAXに残されていた
海渡雄一(弁護士)

吉田調書が明らかにした原発事故の深層
 朝日新聞社「報道と人権委員会」(PRC)は11月12日に吉田調書報道に関する見解をまとめた。東電福島第一原発の吉田昌郎元所長について政府事故調がまとめた吉田調書をめぐって朝日新聞5月20日朝刊が報じた「所長命令に違反 原発撤退」などの記事には「報道内容には重大な誤りがあった」とし、朝日新聞社が記事を取り消したことは「妥当」とした。

 吉田調書は、原発事故災害の拡大を防ぐために労働者の命まで犠牲にしなければならない、原子力技術のもつ究極の非人間性を浮かび上がらせた。深刻な原発事故が生じて、これに対する対処作業が極めて危険なものとなったとき、このような労働は誰によって担われるべきなのだろうか。東京電力などの作業員の撤退という事態は、作業員の生命と健康を守るための措置であった。しかし作業員の大半がいなくなり、事故対応ができなくなれば、多くの市民にさらに深刻な被害をもたらしたであろう。

 11月13日に追加公開された調書の中に、東電の下請けの南明興産社員の調書が存在する。この社員は15日の朝に2Fに避難しているが、その後4号機で火災が発生し、「あなたたちの仕事なんで戻って下さい」と東電社員から言われたが、上司が「安全が確保できない」として、この依頼を断り、柏崎に向かったと証言している。

 取り消された朝日新聞記事は、「吉田調書が残した教訓は、過酷事故のもとでは原子炉を制御する電力会社の社員が現場からいなくなる事態が十分に起こりうるということだ。その時、誰が対処するのか。当事者ではない消防や自衛隊か。特殊部隊を創設するのか。それとも米国に頼るのか。現実を直視した議論はほとんど行われていない」とその末尾で述べている。この指摘は極めて重要であり、記事取消によって、このような問題提起までを葬り去るようなことは、決して許されない。

近くに退避して次の指示を待つという吉田所長の指示には裏付けがある
 PRC見解は、実は「近くに退避して次の指示を待つ」という吉田所長の指示には裏付けがあることを明確に認めている。該当部分を引用する。

 「吉田氏は調書で「福島第一の近辺で、所内に関わらず、線量の低いようなところに一回退避して次の指示を待てと言ったつもり」と述べているが、それは①東京電力柏崎刈羽原子力発電所の所員がテレビ会議を見ながら発言を分単位で記録した時系列メモ(柏崎刈羽メモ)が、6時42分の欄に「構内の線量の低いエリアで退避すること。その後本部で異常でないことを確認できたら戻ってきてもらう」との吉田氏の発言を記録していること②東電本店が午前8時35分の記者会見で「一時的に福島第一原子力発電所の安全な場所などへ移動開始しました」と発表していることなどから、「近辺」か「構内」かの相違はあるが、裏付けられる。」

 私は、PRC見解のこの部分を読んで、「おや」と感じた。柏崎刈羽メモがあるという噂は聞いたことがあるが、そこに吉田調書と同様の指示が書かれていること、また、東電の記者会見でも、2Fではなく、1Fの安全な場所などに移動したと発表されていたというのは初耳であった。PRC見解には、この点について詳しい説明はないが、東電本店会見時の配付資料や録画などはインターネットで簡単に確認できた。また、PRC見解に引用されている柏崎刈羽メモもマスコミには広く行き渡っているようで、簡単に手に入った。(以下略)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.243特別付録(2014年12月14日発行)より。
 全文は以下のPDFファイルをダウンロードしてお読みください。
朝日吉田調書報道は誤報ではない.pdf
再稼働への本当の筋道
 首都圏から原発の電気が消えて早2年8か月を超えた。だが電力需要は下降する一方で、このまま脱原発は可能という空気が漂う。それなのに推進派は、原発の復活をめざして川内、福井で再稼働へと執拗に押しまくる。川内原発は<早ければ>今年度内と期待する向きがあるようだが、まだまだ先はある。ここらで新規制のおさらいをして、原発ゼロ維持のための方策を探りたい。

 福島原発震災は、『日本の原発は「地震・津波などで過酷事故にはならない」「人為ミスや機械の故障等によっても過酷事故には至らない」』などという神話と現実とは違うことを暴き出した。

 原子力規制行政としては、従来の規制において、①大規模な自然災害への対策が不十分、②過酷事故対策を規制の対象にしていない、③いったん設置許可した既設の原発等には最新の基準への適合を求めない、としていたことを特に問題とし、「今回の新規制基準は、これらの問題点を解消」(規制委員会HP)するものとして原子炉等規制法を改正し(12年6月)、新たに原子力規制委員会を設置した(12年9月)。

 ところがこの新規制が分かりにくく、規制委員会がスタートした12年9月の時点で、マスコミ各社はあきれたことに「原発再稼働は来夏が焦点」(日経見出し)といった甘い見通しを流した。明らかに誤報である。審査の工程も確認せず無責任な見込み記事を書くのはやめてもらいたい。

 朝日は「定期検査で停止した原発の再稼働の前提となる新しい安全基準」と書いたが、これも不正確だ。定検後の再起動がお預け(延期)になっている、といった生易しいものではないのだ(ニュース昨年11月号No.232の「『再稼働反対』でいいのか?」参照)。

 こういう私自身、1年前の時点では法的な位置づけの全貌が見通せず、従来の経緯から類推し、法的根拠を確認せずに書いていた(だいたい法律が読めない人間である)。そもそも昨春提示された新基準案は、いわば手、足、目、耳、肺、胃、静脈、動脈、……というように、構造をバラバラにしてパブリックコメントにかけられたのだから、無理もない。

 こうしてできた新規制により、電力会社は、上記③を規定した原子炉等規制法43条の3の14「発電用原子炉施設の維持」(=「発電用原子炉施設を原子力規制委員会規則で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない」)に基づき「設置許可」をとり直さねばならなくなった。新増設時だけではなく、いったん許可された原発もつねに最新の技術基準に適合していないと違法な状態とされるという意味だ。

 とりわけ今回は①、②に係る基準に達しない限り今後の稼働(発電・売電)はできないので、現在はすべての原発が免許停止状態なのである。

 既設炉のための新基準は、パブコメを経て翌13年7月8日に施行され、PWR(事故を起こした東電とは別タイプの原発)各社はいっせいに設置変更許可を申請した。以来1年5か月が経過したが、規制委・規制庁は膨大な量の作業に追われ、まだ1基も再稼働に至っていない。

 ところが申請当初は「審査期間は半年」との見通しが報道され、今年に入ると「6原発10基、合格へ 春に第1号 夏の再稼働、現実味」(14.1.20産経の見出し)、「規制委が1~2カ所を優先審査」(14.2.20日経)と期待感が高まる。

 3月には九州電力が抜け駆けして川内原発に基準地震動のアップを受け入れ、優先審査の対象となった。これは基準地震動が定まらないと、次のステップの耐震評価のための解析ができないからであるが、上記6原発は軒並み基準地震動のアップに抵抗していたのだ。膨大な解析のやり直しと追加の耐震補強工事などを避けたいからであろう。

 ここでまた「14年夏の再稼働」という予測が流され、4月には先祖返りしたエネルギー基本計画が改訂され、再稼働方針が明記される。ところが、政府、経産省、規制委、地元は再稼働のゴーサインを出す責任を譲り合い、どこも再稼働に自信を持っていないことが露見する。規制委は川内1・2号の審査書案作成作業に集中するとしたため、他の原発は足踏み状態となり、電力、経済界は規制委を批判したり、経産省へ要請行動を起こしたりした。

 7月16日、規制委は川内1・2号の変更申請を了承、審査書案を任意のパブリックコメントにかけた。30日の期間内に約1万7千件の意見が寄せられたが、規制委は火山の大規模噴火等の指摘に耳を貸すことなく、9月10日、正式に基準適合性を認めた。だが、これもイコール再稼働ではない。さらに工事認可、保安規定等の大量な審査が続く。

 審査は、公開されている規制委の審査会合のほかに、非公開で規制庁の審査官による事業者ヒアリングがもたれているのだが、これが凄まじい。優先審査と決まった3月以降は、平日はほぼ毎日長時間にわたって行われ、それは12月現在もなお続いており、川内だけで630回を数える。午前10時から夜19時、ときに22時まで……!

 九電からは100人近い社員が参加、規制庁側審査官もほぼ30人。他電力も数人が傍聴する。これだけのマンパワーを投入し、しかも超過勤務……再稼働を断念すれば不要となるのに、と膨大な無駄にみえてくる。

 九州電力では、事業者ヒアリングを経て再提出すべき工事認可の申請書を、12月第2週にも1号機を先に提出するとしていたが未だのようだ。2号機と保安規定は数週遅れで提出の予定という。これらの審査を完了したのちには、工事等に係る使用前検査、燃料体検査、溶接検査等々、通常の定期検査以上の点検・検査があるはずだ。

 規制法の改正によって、これらの検査はすべて規制委と規制庁が行うこととなった。これまで発電用原子炉については経産大臣、研究用は文科大臣の管轄であったが、今回規制委に一元化された。果たしてこれらの作業をこなしきれるのだろうか。

 ところでこの一連の再審査を、安全審査ではないと規制委員長自身が言う。そのとおり。営業許可を得るための最低の合格ラインにすぎない、合格したからといって優秀とは限らないということだ。

 だが鹿児島県知事はこれを安全に関する国のお墨付きと称し、さらに再稼働の必要性に対する大臣要請を条件として、早々に地元同意を出してしまった。「地元の同意を経て、川内原発は今秋にも再稼働する」「川内原発 事実上“合格”秋にも再稼働」という報道にあおられるようにして。

 だが、前途はまだある。ここまで規制委の審査に時間がかかったのも、10万件近いパブコメ(基準制定の際)や1万7千件の川内認可へのパブコメをはじめとする市民の声などによるのだ。断じてあきらめるまい。(A)

*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.243(2014年12月14日発行)に掲載されたものです。
朝日新聞はバッシングに屈せず、「吉田調書」の続報を出すべき
 朝日新聞バッシングが止まらない。本来、メディアの大きな役割のひとつに「権力の監視」があるはずです。しかし今、いくつもの新聞、週刊誌は「権力の番犬」となって吠えたてています。
 バッシングされている朝日新聞もふがいない。11月12日に発表された第三者委員会の見解も完全に腰が引けています。このままでは権力に屈した「白虹(はっこう)事件」*の二の舞になってしまいます。

 「吉田証言」は信憑性が立証できないものであることは周知の事実。しかし、従軍慰安婦は日本軍が行った戦争犯罪であり、その事実は消し去る事ができない。と、朝日新聞は毅然と闘うべきなのです。池上彰さんのコラムの掲載拒否については明らかに失態ですから、これを前面に出すべきです。
 しかし、朝日新聞の木村伊量社長は、こともあろうに5月20日に特報部がスクープした「吉田調書」の記事を取消し、担当者処分を前面に出して謝罪しました。

 「吉田調書」のスクープは私たち東電株主代表訴訟の闘いにとっても大きな進展でした。これまでに山崎久隆さんをチューターに2回の勉強会を開いていますが、読めば読む程、現場は混乱していたことがわかります。
 携帯電話の充電すらできず、必要な情報が吉田所長の許に届かず、建設時期が異なるために号機毎に仕様や部品が異なり、しかもスキルを持っている担当下請けはおらず、図面を管理している下請けの女性社員は帰宅させてしまっていた……。吉田所長も「何度も死んだと思った」と恐怖を感じていたのです。
 東電本店では「全員撤退」が話し合われ、それを阻止するために菅直人首相が東電に乗り込む。そんな混乱の中で命令違反は起きたのです。起きて当然の混乱でした。

 朝日新聞がすべきことは、用意されていた「吉田調書」の続報を出すことです。内閣府は、この原稿を書いている12日、新たに公開の承諾を得た56人分の政府事故調の聴取結果を公開。合計で75人分が公開になったのも、朝日新聞の調査報道がなかったら実現していないことです。
 福島原発が地震と津波によってどのような事故になり、どのような英雄がいても献身的に闘う作業員がいても混乱してしまったという事実を報道すべきなのです。そしてその作業員がどのように被曝し病にかかっていくか、事故で流れた放射能が日本全土を、世界を汚染していく実態を明らかにすべきなのです。

 私は、ジャーナリストや作家に呼びかけ、朝日新聞に「吉田調書」の続報を出すよう、記者を守るよう「要望書」を提出しました。2日間で一般の方も含め192名の賛同をいただきました。他にも200名以上の弁護士さんが連名の要望書などを出されています。
 しかし今も、新聞社に限らずTV局にも、「原発事故報道はもうやめろ」「政府を批判するのは国賊だ」などと、物騒な脅しとも言える電話やメールが殺到しているとのこと。私たちも、良い報道にはエールを送り、「権力監視」という本来の仕事を報道機関ができるよう支えていかなければならないのです。(K)

*「白虹事件」とは
 1918年、米騒動に関して関西新聞社通信大会が開かれ、各社から寺内内閣への批判が噴出した。その大会の模様を報じた大阪朝日新聞の記事に、革命が起きる兆候を示す故事成語「白虹日を貫けり」があったため、新聞社は刷り直しをしたが、既に1万部が出回っており、当時の帝国憲法下の新聞法に触れるとして弾圧された。
 関西では大阪朝日新聞の不買運動が起こり、右翼団体が朝日新聞社長を襲撃。全裸にして電柱に縛り付け「国賊村山龍平」の札を下げた。それ以降、大阪朝日新聞は寺内内閣に屈服していった。この時代、1917年のロシア革命に影響されて自由主義、社会主義的な論調が新聞紙面に現れ、シベリア出兵に反対、大阪朝日新聞はその急先鋒だった。出兵が迫った7月30日には、全国で60もの新聞が発刊処分になっていた。

*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.242(2014年11月16日発行)に掲載されたものです。
朝日バッシングと吉田調書
 朝日新聞とは対極的位置にある『週刊文春』の9月25日号のコラム「池上彰のそこからですか?」では、「朝日批判記事掲載拒否問題」で時の人となった池上彰氏が、朝日新聞社を叩くマスコミに対して次のように批判している。

 「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」(「新約聖書」ヨハネによる福音書より)。池上氏が今回の騒動で最初に想起した言葉がこれだったという。「朝日の検証報道をめぐり、朝日を批判し、自社の新聞を購買するように勧誘する他社のチラシが大量に配布されています。これを見て、批判は正しい報道を求めるためなのか、それとも商売のためなのか、と新聞業界全体に失望する読者を生み出すことを懸念します」。チラシを配布していたのは読売新聞だった。

 もっとも週刊文春には、池上コラムの何倍もの量の朝日バッシングの記事があるので、文藝春秋社の一種のエクスキューズなのだろう。

 「吉田調書問題」は、「従軍慰安婦吉田証言問題」とは大きく様相を異にしているが、通底するのは「現政権の琴線に触れる」問題だということだ。何としても朝日の口を封じたい。一般に特定の新聞社の発行停止などは、どんな政権でも出来ないから、信用を落とす手法が最も効果的というわけだ。

 吉田調書について詳しくは、株主代表訴訟のブログに掲載されている海渡雄一弁護士の論文「吉田所長・緊急記者会見資料」を是非お読みいただきたい。
http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/blog-entry-166.html

 そもそも調書を公開する気が無かった政府に対し、スクープしたのが朝日だった。官邸はリークした犯人捜しに躍起になったようだが、記事を阻止することができないため、別の手段を考えた。それが「誤報」騒ぎだ。

 吉田調書の重要部分は、他の箇所にこそたくさんある。朝日はいずれ吉田調書の全貌を記事にする。その時に大事件になり、原発再稼動どころではない事態になる。
 ならば吉田調書を政府の側から公開しながら、たいしたことがないところに目を釘付けにしておきたいと考えたのだろう。

 東日本壊滅、本当は何の役にも立たなかった自衛隊、自分たちは見捨てられた、貞観津波は巨大津波だったことは経営陣は十分理解していた、などの衝撃的な内容を語っている吉田調書について記事にされることは避けられないならば、それを無化する反撃の手段を準備したわけだ。

 安倍政権の生命線は、メディアコントロールである。報道機関を取り込み、批判を封じることで高い支持率を演出できると考えた。NHK人事に介入し、特定秘密保護法の「有識者会議」座長に渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長を充てて反論を封じ、言論機関の統制を強固なものにしていった。

 朝日たたきは、吉田調書をスクープした記事を逆手に取る方法で実行した。
 この間、安倍政権の下で進められているのは、国家安全保障会議法、特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認の閣議決定、次に続くのは武器輸出三原則の緩和と、原発再稼動に加えて原発輸出、国家の権限強化と国民統制強化に向けて邁進している。
 これを邪魔するメディアを徹底して排除するために「誤報問題」を作り上げた。このやり方は、メディアが「翼賛化」し、いつか来た道を逆戻りする。

 原発推進の翼賛メディアのデタラメ記事は批判もされず、もちろん謝罪も取り消しもない。
 菅直人首相が海水注入を止めているとの2011年5月21日の読売新聞「スクープ記事」は全く嘘だった。一面トップで「首相意向で海水注入中断」という大見出し、「震災翌日、55分間」と具体的時間まで付け加えて報道した。

 吉田調書では、海水注入の中止指示は、当時官邸詰めだった武黒フェローから電話で受けていたことが明らかになっている。首相は全く関与していない。
 原発安全神話を振りまいてきた(この点に関しては朝日も有罪であることは言うまでもないが)メディアは、本当に反省したところと、反省どころか開き直って原発推進の旗を振り続けるところに分かれている。激論を戦わせるのならばいくらやってもかまわないが、政治権力を使って一方を排除、破壊する行為は、言論そのものの死を意味するくらいのことに気づかないわけがない。

 もはや、言論機関ではない、政権翼賛機関紙(誌)が作り上げられつつある。
 その中では、いくらでも推進側の嘘がまかり通る。

◎原発なしでは電気料金が上昇する→真実は、原発があるから電気料金が上昇する
◎電力の安定供給には原発再稼働が必要→実際には再稼働した原発が台風、地震、火山噴火などで何基も止まれば、原発破壊がなくても電力供給は不安定になる
◎原発が止まって貿易赤字が拡大→貿易赤字が最大になった本当の原因は政府が意図して誘導した急激な円安
◎エネルギー安全保障の観点から原発は必要→実際に原発が賄っていたのは一次エネルギーのごくわずか。再稼働を強引に進めてもエネルギーの数パーセント程度に過ぎない。動力用の石油が枯渇したら電気がいくらあっても無意味。なお、再生エネルギーで賄うことが唯一かつ最もエネルギー供給を安定させる方法

 これだけの嘘をまき散らしてきた新聞は、記事を取り消しもしないし謝罪もしない。今の状況は、原発再稼働を進めるためには嘘も方便とさえ言いかねない。(Y)

*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.241(2014年10月5日発行)に掲載されたものです。
今年も東電の大株主上位100社&脱原発に反対企業を公開!
大株主の上位100社で
東電に賛成票を提出しているのは僅か37社

 今年も東電株主総会への議決権行使書の閲覧時に、東電提案に賛成、私たちの脱原発提案に反対票を投じている株主を調べました。その後、受託業務を行っている三菱UFJ信託銀行にて株主名簿の閲覧も行いました。
文末に一覧表のPDFファイルのダウンロード先へのリンクがあります。

 東電の株主は個人・法人合わせて約82万人もいますが、端株(単位株に満たない、議決権行使ができない)を除くと約61万人。その内訳は、政府及び地方公共団体31件、金融機関90件、金融商品取引業者75件、その他の法人3,149件、外国法人等1,003件、個人その他613,676件。全体の50.6%を個人が占めています。

 福島原発事故が起きてから、私たちは東電での議決権行使書の閲覧の目的を増やし、原発推進の東電を支えてきた法人の洗い出しも行ってきました。

 その中で、日本生命と第一生命の保険会社が株主総会に派遣した代理人に「動議等が提案された場合でも議長である会長に賛同する」という委任状をあらかじめ提出して、東電の最高の議決機関である株主総会を出来レース化している実態を明らかにしてきました。

 また、JR東日本やサントリー、ヤマサ醤油といった、それぞれに福島原発事故により多大な被害を被っている企業が、私たちの脱原発提案に反対していることを明らかにし、不買を呼びかけました。東電の担当者から、「ブログ等に掲載すると企業から訴えられますよ」と恫喝されたこともありました。

 東電株を有する福島県、白河市、南相馬市が脱原発提案に賛同する中、今年も春日部市、沼津市、秦野市、都城市が脱原発提案に反対しています。4市にお住まいの方はぜひ公開質問状等を市長宛に提出してください。24千株を有するNTT労組も、労組の総意なのか知りたいところです。

 2011年から脱原発反対企業を公表して見えてきたことは、上位100社のうち、東電に議決権行使書を提出する企業が圧倒的に少ないことです。全権委任状を提出している原子力損害賠償支援機構を入れて37社しかありません。そのうち2013年に新たに株購入の企業が15社。長年東電を支えてきた企業が盲目の追随から撤退しています(株主総会での有効議決数は24,434,977個であり、上記37社を合わせて21,216,235個)。

 日本生命、第一生命は議決権行使書も提出せず、総会への出席も見合わせたようです。もちろん、相変わらず、三井住友銀行、みずほ銀行、大和証券、日興證券、みずほ証券などの金融機関や、三菱重工、三菱電機、IHI、大林組、戸田建設など原子力ムラを構成する企業は東電に賛成票を提出しています。

 一方で、2011年には脱原発提案に賛成票を投じてくれた東京ガスが今年は反対票を。何か圧力があったのかも知れません。また昨年は賛否を明らかにしなかったサントリーですが、今年は再び東電に賛成票を。食品関連ではヤマサ醤油が一貫して賛成票を投じています。社長の真意を知りたいところです。

 61万人もの株主のうち、実際に権利を行使するのは12万人です。たった19%の投票率なのです。行使をする株主もほとんどが、無記入のまま投函しています。無記入投票は東電への賛成、脱原発提案に反対とカウントされます。50.6%の株数を有するもの言わぬ個人株主が「原発反対」の声を上げれば大きな勢力になるのです。

 上位100社に掲載されている海外の信託銀行などの多くは、投票を棄権していますし、投票するところはあらかじめ個人投資家に賛否を尋ねて、その票数のみ東電に通知しています。市民生活に直結している企業はイメージの低下や不買運動に気を使います。生命保険会社も「もの言わぬ株主」から脱却という動きも聞こえています。

 再三訴えていますが、メガバンクは手数料が大きな収入源です。脱原発を表明している城南信用金庫など、地域の信用金庫に給料の振込口座を移動しましょう(ただし、茨城県信用組合は脱原発に反対しています)。

 また、親が東電の株主であったことを亡くなって初めて知ったという方が今年に入って3名も名乗りを挙げました。身近な方にも東電の株主がいます。ぜひ議決権行使書を無駄にしないようお声をおかけください。企業を東電から引きはがし、個人株主が投票することで、脱原発への大きな力になります。政治参加と同様、持っている権利を行使することが重要な第一歩です。(K)
*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.240(2014年9月7日発行)に掲載されたものです。

2014年 東電株主上位100社&脱原発に反対企業PDF
*社名の前に★印を付けた企業が脱原発提案に反対した企業です。


プロフィール

脱原発・東電株主運動事務局

Author:脱原発・東電株主運動事務局
私たちは1989年以来、株主の立場から脱原発を訴えています。ぜひ会員になって活動を支えてください。株主でなくてもなれます。ニュースを年10回発行。年会費2500円です。
郵便振替口座 00180-3-653582(加入者名:脱原発・東電株主運動)

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