脱原発・東電株主運動
NUCLEAR PHASE-OUT TEPCO SHAREHOLDER'S MOVEMENT
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2018株主提案 私たちの議案にご賛同ください
 NHKスペシャルで昨年末に「激変する世界ビジネス“脱炭素革命”の衝撃」が放送されました。既に原発だけにとどまらず、石炭火力からも脱却し自然エネルギーに舵を切っている各国の姿を紹介。冒頭の「太陽光発電の単価2.6円」という映像は衝撃でした。

 自然エネルギー100%調達の事業運営を目指す「RE100」にはアップルやNIKE、BMWなど世界の有名企業128社が加盟していますが、日本ではリコー、積水ハウス、アスクル、大和ハウスの4社のみ。世界の潮流から大きく立ち遅れています。

 我が社の小早川社長も再生可能エネルギーを経営の柱にすると2月に発表しましたが、火力と共にと発言し、世界の動きすら把握していない様子です。
 再保険会社(*)のロイズも日本の原発は引き受けないと明言していますし、3.11の福島事故を引き起こした我が社だけでなく、日本のエネルギー政策や企業の在り方は世界から取り残されているのです。

*再保険:大規模災害や巨大事故など支払い金額が高額な保険で、責任の一部を他の会社に分けてリスクを分散すること。保険会社が入る保険。

 まずは、過酷事故を引き起こした我が社から原発ゼロの声を挙げていきましょう。
2018年3月18日
脱原発・東電株主運動事務局
〒216-8691 川崎市郵便事業株式会社宮前支店 私書箱19号

※2018年の脱原発株主提案議案への賛同を募るため、2018年3月18日に発送された書類より抜粋。

東電の株主の方は、私たちの株主提案にぜひご賛同ください。
 下記のリンクから、提案株主になるための書類をダウンロードできます。
 参考書類(1)~(3)をよく読んで、送付書類(1)~(3)をお送りください。
 申し訳ありませんが、送料、手数料等はご負担ください。
 送付書類(1)と(2)は3月29日(木)~4月14日(土)の間に郵送または提出、
 送付書類(3)は4月24日(火)必着です。
 詳しくは下記の参考書類(2)2018株主提案マニュアル.pdfをお読みください。

総会に出席しない株主様へのお願い
 本年6月の株主総会にご欠席の場合は、東電より送付されます議決権行使書は白紙委任(議決権行使書を白紙で投函することは原発推進につながります)または棄権されることなく、ぜひとも私たち脱原発・東電株主運動が提案する株主提案にご賛同くださいますよう、お願い申しあげます。
 議決権行使書の議案の賛否の記入の仕方については、下記の参考書類(3)総会に出席しない株主様へのお願い.pdfをお読みください。

株主提案議案賛同のための各種書類のダウンロード
参考書類(1) 2018株主提案.pdf
参考書類(2) 2018株主提案マニュアル.pdf
参考書類(3) 2018総会に出席しない株主様へのお願い.pdf
送付書類(1) 2018個別株主通知申出書.pdf 
送付書類(2) 2018送付先指定書.pdf
送付書類(3) 2018合意書用紙.pdf

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東京電力第94回定時株主総会 共同株主提案議案
(注)議案は内容の趣旨を変えない範囲で字句を修正することがあります。あらかじめご了承ください。

下の「続きを読む」をクリックすると株主提案が表示されます。

続きを読む
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パブコメを書こう! 株主提案の権利を制限しないで! 締め切りは4月13日!
株主提案を制限する動き
 株主提案を制限しようとする動きが出てきました。昨年4月から法務省の会社法制審議会で、株主提案権の濫用を防ぐために株主提案の数と内容を制限する方向で議論が進められてきました。

 どこかの株主が100以上の議案を提案したり、取締役の名前をクリスタル役とするといった意味不明の提案をしたりという事例が現実にありました。
 しかし、ほんのわずかな株主の非常識な行動のために、すべての株主の大切な権利である株主提案権が制限されるのは納得できません。

 そもそもこの審議会の目的は「企業と株主の対話の促進」なのです。なぜ株主提案を制限することが「対話の促進」につながるのか、理解できません。

 そして今回、株主提案の数を制限するという「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」(以下、中間試案)が発表され、パブリックコメント(パブコメ)の募集が始まりました。

 4月13日まで意見を出すことができます。複数の案が提示されているので、あなたの意見次第で結論が変わります。ぜひ意見を出してください。

パブコメのタネ
会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案の該当部分をぜひ参照してください)

1)株主提案の数を制限しないで。(該当部分:第1部、第2、1)

2)300単位以上という株主提案の要件を厳しくしないで。(該当部分:第1部 第2、2、後注)

3)「賛同率10%以下の提案は3年間同じ内容のものを提案できない」という現行の制限をなくして。(該当部分:第1部 第2、2)

4)取締役報酬は個別に開示して。(該当部分:第2部 第1、1、(5))

5)インターネットによる情報提供について、ネット環境が整っていない人たちが絶対に不利益を被らない仕組みの整備を優先して。(該当部分:第1部 第1、4、(2)、②)

6)取締役の損害の補償を会社がするのはおかしい。株主代表訴訟で取締役の責任を追求して、会社の損失を賠償させることの意味がなくなる。(該当部分:第2部、第1、2)

パブコメのタネのもうちょっと詳しい話
(1)中間試案では、株主提案の提案数は5までと10までの2案が併記され、それぞれ取締役の選任・解任の提案をその数に加えるのかどうかも選択肢にあり、最終的には4つの案が提示されています。
 わたしたちは株主提案の権利を制限することそのものに反対していますが、あえてこの4案の中で選ぶなら、議案の数は10まで、取締役選任・解任の提案は別とするB-2案が最善の案だと思います。

(2)株主提案の要件については、現行の「300単位以上または発行済み株数の1%以上のいずれか少ないほう」という条件について、中間試案では「なお検討する」とあります。
 もし300単位以上という条件がもっと厳しくなれば、法人あるいは自治体などの大株主でなければ株主提案ができなくなり、多くの一般株主による共同提案が不可能になってしまいます。この要件の見直しに反対します。

パブコメの応募方法
 以下の方法で、4月13日まで意見を提出することができます。
*インターネットで提出する人は 電子政府の総合窓口 e-Govから
「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」に関する意見募集

*意見募集期間は2月28日(水)から4月13日(金)まで、最終日必着
*電子メール、郵送またはFAXでも提出できます。(電話は不可)
*宛先は 法務省民事局参事官室
・郵送:〒100-8977 東京都千代田区霞が関一丁目1番1号
・FAX:03-3592-7039 電子メール:minji205@i.moj.go.jp

*住所(市区町村まで)、氏名、年齢、性別、職業を記入の上(差し支えがあれば一部の記載を省略してもOK)、どの項目に対する意見か(例えば「第1、2(2)について」など)を必ず明示。
*長文の意見を提出する際には、意見の本文とともに、その要旨を各項目の冒頭等に付記。
*問い合わせは 法務省民事局参事官室 TEL:03-3580-4111(内線5894)

株主提案の権利を制限しないで」のひと言でもいいので送ってください!

*この記事をA4のチラシにできるPDFを以下からダウンロードできます。ぜひ広めてください。
パブコメを書こう.pdf
柏崎刈羽原発の適合性審査書(案)を批判する――東電に動かす資格はない(第2回)
 柏崎刈羽原発の適合性審査書が10月4日に決定され、公表された。その問題点の指摘第2弾である(第1回は1/17に掲載)。

6 原子炉制御室及びその居住性等に関する手順
 「炉心損傷を判断した後に現場作業を行う場合には、運転員の内部被ばくを低減するために全面マスクを着用する手順に着手する。この手順では、現場作業を行う運転員が全面マスクを着用する。なお、重大事故時においても、中長期での運転操作等の対応に支障が出ることがないよう、運転員等の被ばく低減及び被ばく線量の平準化のため、長期的な保安の観点から運転員の交代要員体制を整備する。」これはあまりにも非現実的な対応だ。

 前段と後段では運転員の役割が異なる。緊急時対応と運転管理保守対応とは、異なる作業だ。緊急時対応でも要員の交代を逐次行う必要がある。
 しかし福島第一原発事故で経験した通り、全面マスクが必要な環境において作業を強行したり人員を交代させることは極めて困難であるだけでなく、想定しているような電源喪失環境においては中央制御室で温度や水位を計測できず、高線量環境で作業を余儀なくされる場面も想定される。

 これは炉心の大規模損傷を起こした後の対処についてだから、中央制御室は収束作業用としては機能していないと考えるべきだ。炉内や格納容器への代替注水システムを準備している新規制基準下において、どうして無理に中央制御室や建屋内部に作業員や運転員を送る必要があるのか。

 建屋からは撤収して、緊急時対策所(以下緊対所)や第二制御室、オフサイトセンターで冷却や事故収束の指揮を行う方向に規制基準では対応を変えるべきだ。福島の教訓が生かされていない。

7 免震重要棟が緊急時対策に使用出来ない欠陥
 柏崎刈羽原発では、免震重要棟は要求される耐震性を有しないため、緊対所としては失格し、代替として5号機原子炉建屋内に設置することとされた。
 緊対所は新規制基準において、基準地震動による地震力に対し免震機能等により機能を喪失しないようにするとともに、基準津波の影響を受けないこととされている。

 免震重要棟の建設は、もともと中越沖地震により柏崎刈羽原発の緊対所が使用不能となり、露天(駐車場)で緊急対応を迫られたことから、当時の新潟県知事の要請により作られた。
 2010年に水平展開で福島第一原発と第二原発にも完成していたことで、特に第一原発では地震の揺れや建屋の爆発に影響されなかったことを当時の清水正孝社長が証言している。
 中越沖地震を遙かに上回る地震の発生を想定しているため、中越沖地震の揺れをベースに建設した免震重要棟が耐震性能不足となった。免震重要棟に最も近い1号機について解放基盤表面で1700ガルだった中越沖地震に対し、2300ガルの地震動である。免震重要棟の土台で変位75センチを超える揺れが生じることが想定されたため、緊対所が5号機原子炉建屋に移された。

 しかし原子炉建屋がいくら揺れに耐えきれるとしても、内部がどうなるか、外部との接続がどうなるかは未知である。
 一般的に建物がいくら頑丈でも、大きな揺れを小さく抑える能力が無ければ、生存性、活動継続性に重大な影響を与える。免震の場合は、地面の揺れが700ガルでも、建屋内部は200ガルと3分の1以下に下げられるという。一方、原子炉建屋3階の緊対所は揺れが増幅するので1000ガルにもなるだろう。物が吹き飛ばされる揺れだ。

 特に建物の密封性能が影響を受ければ、建屋から事故収束の指揮を取ることも極めて困難になる。
 東京電力は5号機内の緊対所を仮の施設と位置づけ、山手側に新たに施設を建設するとしているが、現状では耐震構造であって免震機能を備えていない。

 緊対所は重大事故等が発生した場合でも、適切な措置が講じられなければならないが、これでは原子炉等規制法第61条及び重大事故等防止技術的能力基準1.18項における要求事項にも対応せず、適切に整備されたものとはいえない。
 東電は改めて基準地震動に見合った設計をして免震棟を建て直す必要がある。

8 水蒸気爆発が発生する可能性を無視
 原子炉圧力容器外の「溶融燃料冷却材相互作用」で生じるケースでは、「一定の水蒸気爆発は除外し圧力スパイクを考慮すべきであることを確認した。」などと、さしたる根拠もなく水蒸気爆発の可能性を排除した。

 水蒸気爆発が起こらないことにしたのは、それを前提とした場合、格納容器の密閉性能が維持できないからと思われる。
 水蒸気爆発を想定した場合、どの程度の損傷を格納容器が受けるかを明らかにすべきだ。格納容器は破壊されるかどうか、水蒸気爆発の実証実験も行われているのだから。
 また、欧米は最新の原発ではコアキャッチャーを採用しているのに対し、「格納容器下部に予め2mほど水を溜めて溶融燃料を受け止める」という世界に例のない、危険な重大事故対処方針を決定している。高温の溶融燃料が特定の条件で水に落下した場合、常識的に考えても水蒸気爆発の可能性が高まることを考慮すべきだ。

 過去の実験結果のうち「水蒸気爆発が発生したKROTOS、TROI」の結果を切り捨て、水蒸気爆発は実機において発生する可能性は極めて低いとの主張をした根拠は申請書を見ても不明確だ。
 解析においても水蒸気爆発の可能性は示されているのだから、圧力容器外の溶融燃料対策として格納容器の水張りは誤っている。なお、この水張りの運用については、原発の当直長が危険性を察知すれば実施することができるという。

9 水素爆発の危険性も軽視
 水素濃度の解析において東電は「炉心の露出から再冠水までの間に、原子炉圧力容器内の全ジルコニウム量の約16.6%が水と反応して水素ガスが発生する。これにより、事象発生直後から原子炉格納容器内の水素濃度は13vol%(ウェット条件)を上回る。また、水の放射線分解によって水素ガス及び酸素ガスが発生する。」「ドライ条件に換算したドライウェル内の酸素濃度は、事象発生の約5時間後から約18時間後まで5vol%を上回る」のだけれども、「この期間はLOCA破断口からの水蒸気によりドライウェル内が満たされ、ドライウェル内の酸素濃度は約0.2vol%(ウェット条件)であり、5vol%に達しない。」などとしている。要は水蒸気の量が多いうちは水素があっても爆発しないと決めつけている。

 規制条件では「原子炉格納容器が破損する可能性のある水素の爆轟を防止する。(ドライ条件に換算して水素濃度が13vol%以下又は酸素濃度が5vol%以下であること。)」という要求をしているが、これを柏崎刈羽原発は少なくとも13時間にもわたり満たしていないので、本来は運転することは出来ないはずだ。

 LOCA時、つまり冷却材喪失が起きて圧力容器などから冷却剤が格納容器内に噴出し、蒸気で充満している状態といった、特定の条件を加えて規制条件をクリアするとの考え方は、福島第一原発事故の教訓を生かしていない。

 福島第一原発1号機では、合計500トンもある「ウエルプラグ」と呼ばれるコンクリートの遮蔽蓋(3層構造でそれぞれ三分割され、合計9ピースで放射線の遮蔽が目的)が持ち上げられて落下したことが分かっている。格納容器の外側で、建屋の最上階の空間とを仕切っているプラグが持ち上げられて落下したのだから、爆発がプラグの下でも起きていたことを示唆する。

 1号機が水蒸気爆発を起こした時点では、既に圧力容器は破損しており、大量の冷却材が格納容器内に漏出していたはずだ。水素爆発で吹き上げられたプラグと格納容器の間でも水蒸気が充満していた。それでも水素爆発は起きたのである。

10 経済性問題
 東電には経理的基礎(原子炉等規制法43条の3の6)がない。
 約22兆円もの「債務」を抱えている東電は、原発を動かす経理的基礎がないから、原子炉等規制法上は柏崎刈羽原発の運転は出来ないはずである。

 柏崎刈羽原発が再稼働をすれば1基あたり年間最大900億円程度のコスト削減ができる(年間900億円の利益を捻出すると同義)とする「新々・総合特別事業計画」(新々総特)の「皮算用」は、そもそもあり得ない。
 2020年には電力自由化の最終段階である総括原価方式の廃止が予定されており、原発の費用をいくらでも原価に算入できる時代ではない。

 また、原発は基本的にはベースロード電源であると規定され、キロワットあたりの単価も安く、原発の運営費用を捻出するので精一杯だ。そうでないというのならば、総括原価方式がない段階でのキロワットあたりの価格と、年間の発電電力量を明らかにし、さらに原発に要する必要経費を示し、収益が1基あたり900億円に達することを証明するべきだ。

 また、1基あたり900億円の利益が出たとしても、それまでに投じた費用が6800億円以上あるので、運転から7年余は利益が出ない。2基動いていても3.5年余は利益が出ない計算だ。
 税金を湯水のごとく投じている東電は、そのことも織り込んだ上で経理的基礎があることを明らかにする義務がある。

11 柏崎刈羽原発2~4号機について
 新々総特では、柏崎刈羽原発の再稼働を4基と3基に分けて書いている。2~4号機については現時点で他の4基とは異なる状態にある。
 東電によると、驚くことに2~4号機は依然として10年以上前の中越沖地震の後で開始した耐震強化工事中だという。新規制基準の要件を満たすどころか、中越沖地震により損傷したり脆弱性が分かったところの補強工事中である。

 新々総特では7基稼働をも想定しているが、そもそも破損が大きい原発を組み入れる想定こそ、ありえない。
 東電は現状を正直に公表しなければならない。(Y)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.271(2018年1月14日発行)より。

柏崎刈羽原発の適合性審査書(案)を批判する――東電に原発を動かす資格はない(第1回)
 柏崎刈羽原発の適合性審査書が10月4日に決定され、公表された。内容もさることながら、東電の資力や立地地点の問題など本来は審査すべき事項が多くあったはずなのに、それらは審査対象になっていない。

 原子力規制委員会は異例の措置として、東電に対し廃炉への姿勢や安全対策への姿勢などを問う文書を発し、規制基準には法定されていない「会社の姿勢」を質した。しかし回答として東電が提出したのは、小早川社長個人の立場の、経理的裏付けも書かれていない一片の文書だった。

 これで良しとするならば、審査などいくらでも形骸化する。
 そこで、柏崎刈羽原発の適合性審査について、2回にわたり問題点を指摘する。

1 立地指針違反の原発
 この原発は「立地指針」に違反している。立地指針の正式名は「原子炉立地審査指針」。日本で最初の「原子炉施設の安全性についての科学技術的基準」として、1964 年5月27日に原子力委員会により決定された。当初定められた時には次のように記述されていた。

 「大きな事故の要因となるような事象、例えば、立地場所で極めて大きな地震、津波、洪水や台風などの自然現象が過去になかったことはもちろん、将来にもあるとは考えられないこと。」

 現在、文部科学省のホームページでは「大きな事故の誘因となるような事象が過去においてなかったことはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこと。また、災害を拡大するような事象も少ないこと。」と書き換えられている。

 プレート境界が目の前にあり、中越地震、中越沖地震と度重なる内陸直下型地震を引き起こした「地震地体構造」上に立地する原発は、ここだけである。
 新規制基準では、この立地指針を審査基準にしていない。もし審査基準としたならば、マグニチュード6.8の中規模地震である中越沖地震で解放基盤表面の地震動が1,699ガルなどといった巨大な揺れになる場所に立地すること自体不適当となるはずだ。このような根本的な問題を解決できていない以上、廃炉とすべきなのだ。

 なお、中越沖地震で解放基盤表面の揺れが1,699ガルもあったのに、建屋の基礎板では680ガル程度と比較的小さな揺れになったのは、間の最大289mもある軟弱な地盤で揺れが減衰したからとされる。豆腐の上に立てられた原発と地元の人々が批判する所以である。

 軟弱地盤がクッションになり揺れを減衰するならば良いというわけではない。軟弱だから液状化するし、基礎板が支えきれずに不等沈下して傾いたり、土台ごとの変位量が異なり、配管等のつなぎ目を破壊するなど不測の事態を起こしやすい。

 実際に3号機では、外にあった起動変圧器と建屋がずれたため、繋がっていた配管が破断し、冷却用のオイルが漏れて火災になった。
 建屋の周囲も液状化し、大量の地下水や破損した消防用水配管からの水が建屋に侵入し、溢水事故になっている。

 これらの影響がどのくらいあるのか、設計基準を上回る揺れに襲われたのに、詳細な調査は技術的にも困難で、いくつかは解析と計算で「健全」としてしまっている。壁を貫通している配管や、線量が高く接近困難な場所などの測定不能、検査不能な場所をたくさん残したまま健全とされた恐るべき原発である。

 今後も、もっと大きな地震ならば、今度は長周期成分が増幅し、建屋の構造物の中でも大型のものに共振を起こして破壊する危険性が高まる。そんなところに立地したのである。

2 基準地震動の不確かさ
 柏崎刈羽原発では基準地震動の算定に大きな疑問がある。
 東電は否定しているが、佐渡海盆東縁断層が存在し、実際に活動した場合、現在の基準地震動を大きく超える大地震が発生する恐れがあることを見逃していることが第一点。

 佐渡海盆東縁断層とは、佐渡島と本州の間にある海盆の東側に沿って存在し、過去に繰り返し地震を起こしてきたと考えられる断層だ。
 海底地形には大きく撓んで変形しているところがあり、地震による変化と考えてもおかしくない。これはつながった海域、例えば最上舟状海盆などとも似ているという。

 基準地震動の設定のために安全側に立って地震地体構造を考えるならば、佐渡海盆東縁断層を含めた新潟県日本海側の地震活動を全体的に捉えなければならないから、それを含めていない現在の地震想定は誤りである。

 第二点は、基準地震動を荒浜側と大湊側で分け、倍半分もの差を付けている理由がわからないこと。
 新潟県沖では2007 年7月に中越沖地震が発生、マグニチュード6.8 と中規模地震にもかかわらず柏崎刈羽原発は3000 か所もの損傷を受けており、さらに7基のうち3基は地震時に稼働中で、その後現在に至るまで一度も稼働することがなかった。

 この地震では1~4号機の建つ荒浜側は解放基盤表面で1,699 ガルの揺れを推定したが、5~7号機の建つ大湊側は766ガルに留まるとした。
 基準地震動はこれを基に、荒浜側で最大加速度、水平2,300ガル、鉛直1,050ガルに設定したが、大湊側は水平1,209ガル、鉛直650ガルとしている。

 わずか1キロ程度しか離れていない、同一敷地内に存在する原発で、倍半分もの差があるとする根拠は何か。地震想定を殊更細かく行うことで、揺れに大きな違いがあるとすることは、前提条件が多少異なるだけ(発振地点が異なる等)で簡単に崩れてしまう。
 少なくとも、全域を水平2,300ガル、鉛直1,050ガルに統一して設定するべきではないか。

3 耐震重要度分類の不思議さ
 耐震重要度分類とは「耐震重要度に応じて、Sクラス、Bクラス、Cクラスに設計基準対象施設を分類することを要求」する基準だ。例えば、一次冷却材を閉じ込める「圧力バウンダリ」については全て耐震クラスSである。しかし圧力バウンダリに冷却材を注入する系統は全てSクラスにはなっていない。これは安全上重大な問題である。

 耐震重要度分類の矛盾については、吉田昌郎元福島第一原発所長も次のように証言している。
 「シビアアクシデント上は、MUW(補給水系)だとか、FP(消火設備系統)を最終注水手段として、何でもいいから炉に注水するようにしましょうという概念はいいんですけれども、設計している側に、本当にそれを最終的に注水ラインとして使うんだという意思があるんだとすると、耐震クラスをAクラスにするでしょう。それ以外のラインが全部耐震クラスAだし、電源も二重化しているようなラインが全部つぶれて、一番弱いFPと、MUWは今回なかったわけですけれども、そういうものを最後に当てにしないといけない事象というのは一体何か、私にはよくわからないです。」

 この中で耐震クラスAとしているところが、現状のSクラスである。吉田氏の発言は、原発の耐震安全性について最も重要な問題提起であるが、これに対して東電は、消防用水設備をSクラスと同等の強度を持たせる補強を行っているという。しかし最初からSクラス設備で設計施工をしていないことは認めている。

 巨大な発電所内部の消防用水設備を全て作り替えることは不可能であり、どうしても最初から設計したものより脆弱であるため、このような設備を使っての原子炉注水は無謀としか思えない。

 また、新設ないし増強した注入ラインについては、全て実機において注入できることを実際の運転圧力及び過酷事故時想定圧力を模擬して試験を行う必要がある。しかし実際には系統の一部の作動試験をしただけで、炉内や格納容器内に注水できることまで確認していない。

 3.11以前に行われた過酷事故対策による設備増強では、設置した後に稼働または成立性試験は行われていない。そのため、例えば過酷事故時に使用するよう設置されたラプチャーデスクが開いて、格納容器ベントラインが機能したかどうかすら、未だに分からないという信じがたい問題が生じている。

4 外部火災に対する設計方針の矛盾
 発電所敷地内における航空機落下等による火災と、大規模な自然災害または故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムへの対応について、航空機ないし大型航空機の衝突または故意の攻撃については記述しているが、前段の航空機の衝突と後段の「故意による大型航空機の衝突」には整合性がない。

 攻撃を前提とした航空機の衝突の場合、確率は何の意味も持たず、かつ、複数の同時攻撃を考慮するならば、原発の複数面に緊急時対応用注水システムを設置していても意味を成さない。これら航空機の衝突と故意の航空機衝突を殊更分ける意味がない。
 言い換えるならば、偶発的な航空機の衝突の確率や被害の大きさは、テロを含む武力行使に包含されるから、その対応に含まれるべきものだ。

 テロや武力攻撃による大規模損壊を想定して、それに対処できるかどうか、「大規模損壊が発生した場合における体制の整備に関して必要な手順書、体制及び資機材等が適切に整備」されているかを、東電は、できる限り具体的に明らかにする義務がある。

 なお、株主総会では弾道ミサイル攻撃や爆撃などの攻撃については国の外交防衛政策上の問題などとして明確な回答をしなかった。現在も大型放水銃などを放射能拡散防止策として挙げるものの、大規模損壊や放射性物質の拡散を生じない具体的対策が求められるのだから、対策を明らかにする責任がある。

5 津波による損傷の防止の不備
 「液状化評価方針の審査の過程において、申請者は、古安田層等の液状化に伴い荒浜側防潮堤が損傷し、津波が荒浜側防潮堤内敷地に流入する可能性があるため、当初荒浜側防潮堤内敷地の3号炉原子炉建屋に設置するとしていた緊急時対策所を大湊側敷地の5号炉原子炉建屋に変更するとともに、アクセスルートを変更することを示した。」としているが、この影響は単に荒浜側防潮堤内に留まらない。

 浸水が発生すれば、荒浜側4基の原発において、運転していなくても使用済燃料プール等の損傷などで過酷事故発生の可能性が生じる。燃料がメルトダウンをしなくても、冷却不能になったプールの被曝リスクは大きい。その際に6、7号機を運転していると危険度が更に高まることになる。

 一方、大湊側の防潮堤は津波想定が7.5mで、海抜12mの敷地に達しないことから、防潮堤は規制基準適合性審査の対象になっていない、自主対策設備とされる。
 しかし想定を超える津波に襲われれば、防潮堤が地盤の液状化に伴い機能しなくなるリスクを抱えていることになるので、クリフエッジは12mということになる。荒浜側の防潮堤がたまたま健在ならば、クリフエッジは防潮堤の高さ15mだから、逆転してしまう。稼働していない原発と稼働中の原発の脆弱性が逆転することは想定外だ。
 大湊側で防潮堤が液状化で倒れることは許されない。(Y)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.270(2017年12月10日発行)より。

東電幹部の民事・刑事責任が明らかに
推本の長期評価に基づく津波評価を行い、2009年6月までに対策を完了する方針だった
 私たちは、東電役員の民事責任を追及する株主代表訴訟を担当していますが、同時に刑事告訴・検察審査会への申し立ての代理人を経て、現在は被害者遺族の代理人として手続きに参加しています。

 6月30日、勝俣、武黒、武藤3被告人の刑事責任を問う、福島原発事故刑事裁判の第1回公判がようやく開かれ、検察官による冒頭陳述と証拠の要旨が告知されました。被告人とその弁護人等は事故の予見可能性がないなどとして無罪を主張しました。しかし、示された証拠を見る限り、被告人等の主張は通らないでしょう。

 東電の津波対策を担当していた土木グループは2007年末に、推本(地震調査研究推進本部)の長期評価に基づいて津波評価を行い、2009年6月に予定されていた耐震バックチェックの最終報告までに、この津波に対応する工事を実施する方針を決めました。
 政府見解であり、土木学会のアンケートでもこれを支持する見解が多く、東電の東通原発の許可申請でも取り入れていたことなどが、この見解の根拠です。この点は裁判での大きな争点となるでしょう。

東電設計に対する依頼は、試算ではなく基準津波を決めるためだった
 2008年1月11日、土木調査グループは、吉田昌郎らの承認を得た上で、東電として東電設計に対し、長期評価の見解に基づく日本海溝寄りプレート間地震津波の解析等を内容とする津波評価業務を委託しました。これは正規の委託契約であり、この方針は2月16日に、被告人ら3名も出席した「中越沖地震対応打合せ」の場で確認されていました。

 2月4日に酒井氏が東京電力の長澤和幸氏らに送信した「1F、2F津波対策」と題するメールが残されており、「現在土木で計算実施中であるが、従前評価値を上回ることは明らか」「津波がNGとなると、プラントを停止させないロジックが必要」などとされています。
 まさに原発を止めなければならないほど重大な事態であることを技術陣は認識していたということです。この計算は試算ではなく、東電が耐震バックチェックのために行う津波対策の内容を定めるための基礎資料でした。

10mを超えると対策工事の規模が大きく変わる
 3月18日には、東電設計と東電との打ち合わせが行われ、計算結果の成果物が納入されています。15.7mの計算結果です。3月31日には、東電は原子力安全・保安院に対して、福島原発5号機に関する耐震バックチェック中間報告を提出し、同時に福島県とプレスにも発表しました。
 この中間報告では、津波に対する安全性には触れていませんでしたが、発表時に武藤は、平成21年6月までに津波対策を完了させ、バックチェックを終了したいと述べています。それがこの時点での東電の方針であったことがわかります。

 これを受けて4月18日には、東電設計は東電に対し、南側側面から東側全面を囲うように10mの防潮堤(鉛直壁)を設置すべきこと、5号機及び6号機の原子炉・タービン建屋を東側全面から北側側面を囲うように防潮堤(鉛直壁)を設置すべきとする検討結果を報告しました。図がその防潮堤の計画図面です。
防潮堤の計画図面
 ここで、この鉛直壁が建屋を覆うように南北に設置されていることが決定的に重要です。
 これまでの検察の不起訴理由、そして被告人等の無罪主張の根拠として、この計算結果では、津波は南側から敷地を襲うこととなっており、これに対して、南側だけに防潮堤を築く計画となったはずであり、そのような計画を実施したとしても、東側から押し寄せた津波には効果がなかったはずだと主張されていました。
 
 しかし、東電の技術者は、敷地の南北に建屋を覆うように防潮堤を計画していたのであり、検察と被告人らの弁解が成り立たないことが明白となりました。

武藤に対する決裁説明とちゃぶ台返し
 6月10日の武藤への決裁説明と7月31日の武藤による津波対策先送りの経過は、これまでの検察審査会の決定で認められたとおりです。その間の平成20年7月21日には武藤、被告人武黒等が出席して「中越沖地震対応打合わせ」が行われ、耐震安全性強化に多額の費用がかかっていることが報告されています。

 中越沖地震によって柏崎原発が運転を停止し、耐震補強のために東電は多額の工事費を投じて工事をしなければならず、それが経営を圧迫していたことです。この点が、次に述べる武藤らによるちゃぶ台返しの伏線といえます。

 7月31日、この武藤の指示により、推本の長期評価に基づいて津波対策を講じるべきとする土木調査グループの意見は採用されないこととなりました。
 このことは、それまで土木調査グループが取り組んできた10m盤を超える津波の襲来に備えた対策を進める作業を停止することを意味していました。このことこそが福島原発事故の決定的な原因です。

おわりに
 来年1月には刑事裁判の証人調べが始まります。株代訴訟においても、刑事裁判の証拠の取り寄せの作業のめどが立つ来春頃には、刑事裁判を追っかけて、証人尋問に入っていきたいと思っています。株代訴訟原告団と福島原発事故刑事裁判支援団へのご支援をお願いします。
(海渡雄一 東電株代訴訟弁護団・福島原発告訴団)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.269(2017年11月5日発行)より。

電気事業法施行規則等の一部改正――賠償や廃炉費用を新電力や消費者に転嫁するな
はじめに
 この文章は「電気事業法施行規則等の一部改正」パブコメ(締め切りは8月26日)に送ったものです。趣旨は変えずに読みやすいよう手を入れています。
 今回のパブコメは、改正規則、省令等の新旧対象条文が示されているだけです。参考資料としても託送料金認可手続図などが2枚あるだけ。改正規則の内容を説明したものでさえありません。改正の内容が何なのか意図的にわかりにくくしていますし、提出される意見も「制度への反対」を封じるような作りになっています。

 規則や省令の改正では、その前提として制度の意義や目的等について規定する条文はありません。一般法とは違います。パブコメにかけられた規則の上位法は電気事業法です。
 電気事業法の中では一切規定していない原発の賠償負担金や廃炉費用を、法律の下にある施行規則や経産省令(経産大臣が決める)に規定しているのです。従来存在していなかった原発事故の賠償負担金や廃炉費用が、突如として電気事業法にさえ規定せずに、一方的に決められていこうとしています。国会での審議(議決)さえありません。
 これに対して反対の声と共に、問題点を指摘したパブコメを送りました。条文ごとに批判しているので、ちょっと長くなりました。

1 対象となる「賠償金」とは何か
 第45条の21の2「賠償負担金の回収等」について、対象となる「賠償金」とは何かをあらかじめ明確にすべきだ。
 条文には『一般送配電事業者は、当該通知に従い、賠償負担金をその接続供給の相手方から回収しなければならない。』『2 一般送配電事業者は、第45条の21の4第1項の通知に従い、各原子力発電事業者ごとに賠償負担金相当金を払い渡さなければならない。』との規定がある。

 この条文には「東京電力」とは一言も書かれていないから、今後生ずる原発事故については原賠法に基づく保険金の支払があってもなくても賠償金を送電事業者を通じて消費者から「回収」できることになっている。
 このような想定は、そもそも東電改革や電力システム改革の議論でも確認されていないはずである。条文の書き方に大きな問題があると言わなければならない。

 原発事故が起こる度に、オートマチックに損害賠償金を消費者から取れるとしたら、重大なモラルハザード(倫理の欠如)を引き起こすことになる。
 百歩譲って、このような性格の資金を未来にわたり負担させることを求める法令を制定するならば、起こりえる事故の規模と必要となる損害賠償金額があらかじめ想定されていなければならない(予見可能性・法的安定性)。原子力事業者でもない一般送配電事業者に、最悪の原子力災害の見積もりができるわけがない。アンフェアである。

 その程度や規模が、社会通念上も電力システム上も許容できる範囲であるかどうか、慎重かつ広範な国民的議論を行って決めるべきものである。
 福島第一原発事故では、今日までに様々な形態で既に消費者が巨額の負担をしている。今後発生しうる原子力災害は、福島第一原発事故の規模を遙かに超えることもあり得る。その際に青天井で国民に負担を認める法令を作ることなど、認めることはできない。

 例えば、原発事故1回につき消費増税1%を30年間(累計約75兆円)と言われて、それでも原発を選択する者などあろうか。納得も理解も得られない制度は撤回すべきである。

2 「回収」の言葉は資金の性格を誤魔化している
 法令では賠償金相当額を徴収して原子力事業者に譲渡することを「賠償負担金の回収等」としていることに大きな問題がある。
 この賠償金の性格は、明らかに原子力事業者として負担または用意すべき原子力発電事業にかかる必要経費だ。その経費計上(積み立て・準備)を怠った東京電力に対して資金提供をすることは資産譲渡になり、法人税の課税対象にするべきものである。

 すなわち「回収」とは本来「徴収」であり、「払い渡し」は「譲渡」である。
 これらについては、財産譲渡と同じ性格であるから、譲渡を受ける事業者については「法人税課税」の課税所得金額に含めるべきである。

3 オートマチックな承認行為をしてはならない
 第45条の21の3「賠償負担金の額の承認」について、オートマチックな承認行為をしてはならない。
 条文では『原子力発電事業を営む原子力発電事業者は、その運用する原子力発電工作物及び廃止した原子力発電工作物に係る原子力損害の賠償のために備えておくべきであった資金であって、旧原子力発電事業者が平成23年3月31日以前に原価として算定することができなかったものを、一般送配電事業者が行う接続供給によって回収しようとするときは、回収しようとする資金の額について、5年ごとに、経済産業大臣の承認を受けなければならない。』と規定している。

 国の認可がなければ「回収」できない規定のように見えるが、実際のところは電力会社が保有する原発を運転してきた限り、認可されないことはない規定ぶりである。
 つまり、この条文の規定では、国による何の規制もかかっていないに等しい。条文を制定する意義がないのである。

 第2項には『5年間に回収しようとする賠償負担金の額が、賠償負担金の総額及び第1項の承認を受けた賠償負担金の額に係る回収見込額に照らし、適正かつ明確に定められていること。』などと規定している。逆に問いたいが、適正かつ明確ではない場合とは、いったいどんな場合を想定しているのか。

 このような無意味な規定ではなく、原子力事業者が賠償金を請求するのが正しいことなのかどうか、事故発生時ごとに第三者機関で審査を行うほうがよほど実効性があるから、そのような方式にすべきである。

4 情報は公開しなければならない
 第45条の21の4「各一般送配電事業者が回収すべき賠償負担金の額等の通知」では情報公開を義務づけよ。
 この条文に規定した金額については、その全ての通知内容は官報に掲載して公示すべきである。

 個別の金額も含めて全ての情報が開示されなければ、その正当性を第三者が確認するこができない。情報公開は必須である。
 この条文に決定内容について公示すべきことを明記することが必要である。

5 廃炉費用の転嫁に反対
 第45条の21の5「廃炉円滑化負担金の回収等」について、条文は『一般送配電事業者は、当該通知に従い、廃炉円滑化負担金をその接続供給の相手方から回収しなければならない。』『2 一般送配電事業者は、第45条の21の7第1項の通知に従い、各特定原子力発電事業者ごとに廃炉円滑化負担金相当金を払い渡さなければならない。』と規定している。

 「廃炉円滑化負担金」とは何か。また、規定がないと廃炉が円滑に進まないとする根拠は一体どこにあるのか。
 まず、原子力発電設備は原子力事業者が自らの電力事業に供するために自らが資金を投じて建設し、運営しているのであり、それに対して国は立地自治体等への交付金を「電源三法」により徴収し、それを原資にして交付しているように、極めて高い公共性をも有している。

 これらが早期廃炉になるからといって、なぜ更なる支援をしなければならないのか、全く理解できない。
 このことは、他の電力設備を運用する電力会社に対して差別的処遇となる。早期に廃止しなければならない設備を再生可能エネルギーについて行っても、何ら保証はない。再生可能エネルギーを全量買い取る義務を一般電気事業者に課していても、その費用は電力料金の徴収時に別途回収しているのだから、一般電気事業者は負担をしていない。「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は毎月の電気料金に含まれている。

 そのうえ原発の廃炉費用まで負担しなくてもよいとしたら、一般電気事業者には原子力を推進するに際し何のリスクもないこととなる。廃炉費用は原子力事業者が自ら支出すべきものであり、他に転嫁してはならない。

 また、早期廃炉をすればするほど国民負担が増加する仕組みになっている。早期廃炉の中には設備の欠陥や立地不適当となるような原因で廃炉になるものもある。廃炉積立金不足なのならば、密封管理を長期に行いつつ、遅延廃炉の方法で必要な額を確保するまで積み立てを続ければよいだけである。その場合は当然電力会社の負担であるが、安全管理のための費用は発電費用に算入できることにすれば、過重な負担にはならない。

 これまで原発で巨額の利益を上げてきたうえ、理由も問わずに、使用できなくなった設備のために新たな「賦課金」の「回収」を義務づける規定は撤回すべきだ。

6 行政の公平の原則からも「廃炉円滑化負担金」は認められない
 第45条の21の6「廃炉円滑化負担金の額の承認」には『原子力発電工作物の廃止を円滑に実施するために必要な資金を一般送配電事業者が行う接続供給によって回収しようとするときは、回収しようとする資金の額について、経済産業大臣の承認を受けなければならない。』と規定しているが、その内容は単に廃炉に要する費用の明細を計上させているに過ぎない。廃炉に至る経過、その責任の所在等は何も問われないため、早期廃炉原発は、資金を求めて申請すれば、経産大臣により自動的に認可される仕組みとなっている。

 行政の制度で、これは一般送配電事業者に対する義務的負担金の性格を有している。このような性格の賦課金を制定し徴収するためには、高い公共性と他に代替のできない唯一無二の制度であることを示さなければならない。
 しかし電力システム改革や東電1F委員会のいずれの議論でも、疑問を呈する委員の発言があったり、明確に反対を表明する意見がパブリックコメントで圧倒的多数寄せられるなど、とても国民の納得が得られている制度とは言えない。

 国会での審議・議決すら経ないで、巨額の経済的負担を原子力発電事業者以外に転嫁させようとすることなど到底認められない。「ゆがめられた行政」と言わなければならない。

7 情報公開を求める
 第45条の21の7「各一般送配電事業者が回収すべき廃炉円滑化負担金の額等の通知」については、このような規定を設けるよりも、全ての申請書類は決定する前に官報に公示して情報を公開すると共に、第三者委員会において調査・審議を行うべきである。(Y)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.268(2017年9月24日発行)より。

2017東電株主総会の記
 1206名(出席株主数)、3時間4分。2011年は9282名、6時間。たった6年しか経っていないのに、福島の苦しみは幾重にも重なったまま、むしろ重篤になった部分さえあるのに……。株主の関心は薄れた? あきらめた? 株を売却してしまった? 広い代々木第一体育館に寂しい空席が広がりました。

 昨年は、会場前に「日本の原発は安全」「原発を再稼働して料金値下げ」のプラカードを手に、大挙して現れた団体“しきしま会”は現れず、代わりに“二の橋倶楽部”なる幟の面々。「原発再稼働」のプラカードを手にし、配布する豪華パンフレットの内容(放射能の正しい知識を持とう)も同じなので、結局お仲間なのでしょう。人数は半減の約20名。

 当方は、たんぽぽ舎の皆様の多数の応援を頂いたり、駆けつけて下さる方もいたり、グリーンピースの独自パフォーマンスもあり、心強いチラシ配りができました。数は力を実感!!

 10:00開会。30分間の事業報告後、議案審議。議長は、「提案株主は補足説明がある場合は3分以内で」と促しますが、私たちは「趣旨説明」と明言し対抗。まずは、原発再稼働株主の提案から開始です。不愉快なことに、「脱原発を主張する中には公安警察の調べでは過激派中核派等のメンバーがいる」との発言がありました。まさに、イメージ操作そのもの! 私たちも、各趣旨説明の頭に「共謀罪の対象にならない一般人です」と強調しました。

 4号議案から12号議案まで、提案の概略と賛成割合は以下の通りです。
▼4号議案:東京電力パワーグリットの売却(賛成2.17%)
▼5号議案:柏崎刈羽原子力発電所の減損会計適用(2.26%)
▼6号議案:福島第二原発と柏崎刈羽原発を廃炉と廃棄物管理のための研究施設とする(2.26%)
▼7号議案:監査委員会の健全化(7.81%)
▼8号議案:原子力事故時の避難者受け入れ周辺自治体との安全協定(2.27%)
▼9号議案:原子力事故を想定した避難訓練の実施(2.26%)
▼10号議案:原発災害保養基金の創設(2.26%)
▼11号議案:福島原子力発電所勤務者に対する保養の提供(2.21%)
▼12号議案:柏崎刈羽原子力発電所の原子炉圧力容器の健全性の検証(2.26%)

 今年の特長は、ほとんどヤジがなかったことです。例年の発言妨害とも言えるヤジがないのは静粛でよいと言えばよいのですが、何か気味が悪いような……。およそ40分間、お陰で粛々と進行しました。

 次は、事前質問109問に対する山口副社長からの回答。20分の見込みと言い、実際は23分間だったので、事前に随分練習したようです。長時間に及び、ここで途中退場者が多いと担当者が愚痴を言っているところです。私たちは、質問項目だけでもいいから、スクリーンに投影等工夫して欲しいと例年申し入れしています。残念ですが、改善はなされませんでした。

 いよいよ質疑応答。原発再稼働株主の修正動議を含めて、12名が発言しました。なんと! そのうち12分の10が脱原発関連発言だったのです。おまけに、今までほとんど指名されなかった提案株主席からも指名され、數土会長(議長)から最後のプレゼント?と思うような指名率でした。

 更に數土会長からビックリ発言「福島事故処理関連に総額およそ22兆円は驚天動地、未曾有宇の数字。だが、責任を貫徹するため自分を捨てても挑戦するしかない。無理を承知でやるしかない」と。最後だから正直に発言したのでしょうか、ここでも変化を実感しました。

 他にも印象的な発言がありました。「放射線は怖くない、人体実験に応ずるボランティア募集を!」というとんでも株主に増田常務「放射線は正しく怖がることが大切」。「他国からの飛翔体への対策は?」に対し、姉川常務「国と国が争わないことが大切。貧困がないようにすることも」。

 全ての株主提案は否決され、新取締役13名が登壇し1:05終了。その後、27日に福島に挨拶に行った小早川新社長「双葉町民も早く帰還をしていただきたい」、記者「双葉町は避難解除されていません」、新社長「北部に……」記者「北部は時間制限付き立ち入り許可地域です」このやりとりが、新執行部の全てを象徴しているような?

 株主の皆様、沢山出席しましょう! そして沢山発言しましょう! 少しでもこんな執行部に緊張感を持ってもらいましょう!!(K)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.267(2017年7月9日発行)より。


株主運動ニュース読者の皆さまにお詫び
株主運動ニュースNo.267を7月9日に発送いたしましたが、
同封予定のチラシの一部を入れ忘れたまま封じてしまったものがありました。

そのため、一度開封してチラシを封入し、封緘印として株主運動の印を押しています。

たいへん見苦しい状態になり、誠に申し訳ございません。
どうかご容赦のほど、お願い申し上げます。

脱原発・東電株主運動 事務局



プロフィール

脱原発・東電株主運動事務局

Author:脱原発・東電株主運動事務局
私たちは1989年以来、株主の立場から脱原発を訴えています。ぜひ会員になって活動を支えてください。株主でなくてもなれます。ニュースを年10回発行。年会費2500円です。
郵便振替口座 00180-3-653582(加入者名:脱原発・東電株主運動)

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