脱原発・東電株主運動
NUCLEAR PHASE-OUT TEPCO SHAREHOLDER'S MOVEMENT
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「津波対策の緊急性」と「吉田調書報道」の漫画チラシを作りました。広めてください
 東電株主代表訴訟の闘いの中で、津波対策の緊急性を東電の取締役は知っていたことが分かってきました。決して「想定外」ではなかったのです。

 朝日新聞の「プロメテウスの罠」では7月26日から「津波を争う」というシリーズが始まりましたが、まだまだメディアの腰は重いのです。

 更に「吉田調書報道」。朝日新聞が報道を取り消してしまったことでタブー視されてしまいました。

 マスコミが伝えないなら、私たちが伝えていかなければいけない! と、東電株主代表訴訟と脱原発・東電株主運動が共同で漫画チラシを制作しました。
 ぜひダウンロードして広めてください。

★A4判2面カラー
津波対策の緊急性を東電取締役らは知っていた!
朝日新聞「吉田調書報道」は誤報ではない!
監修:海渡雄一  漫画:壱花花

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株主総会にも戦争の足音──原発を並べて戦争できると思っている人々も登場
様変わりの株主総会
 東京電力株主総会に出席した。通算20数回目になるが、これまでよりも野次の数の少なさを感じた。しかし出席株主の構成には大きな変化も感じた。昔は多かった総会屋とおぼしき連中や動員株主のような人たちはめっきり数が減ったようだ。

 一方で、株主提案に私たちと全くベクトルの異なる人物(個人か集団かわからないが)が登場した。中でも特筆すべきは、柏崎刈羽原発の再稼働を要求する提案が行われたことだ。なお、この提案を東電は拒否して否決した。つまり会社側が再稼働をしないこととした、ということになるわけだ。

 会場質問でも、突如として「中国の脅威が……」と叫び、東電の火力燃料を運ぶ船舶が南シナ海あたりで武力攻撃や拿捕されたらどうするつもりかといった、今の安保法制の議論を先取りした(?)かのような、見当違いの発言をするかと思えば、中国の軍事的脅威があるから原発を再稼働せよと主張する。これまでに見られない光景だった。

 いわゆる「ネット右翼系」と「在特会系」の合体したような喧噪、ヘイトスピーチが叫ばれる。こちらの提案に反対する野次も飛ばすのだが、東電の議案にも反対している。そうぞうしい割には何をしたいのか全く分からなかった。

格納容器ベントは「約束違反」
 私が文書で提出していた東電への事前質問に対して、実に恐ろしい回答がなされていた。それは「格納容器ベントのタイミング」に関することだ。

 柏崎刈羽原発1、5、6、7号機に取り付けている「格納容器ベント装置」は、原発が過酷事故を起こし、最後の砦である格納容器が破壊される危険性が高まった場合、事前に発電所長の判断で、内部のガスを大気放出して圧力を下げるための設備だ。希ガスと呼ばれる放射性物質のキセノンやクリプトンは全量放出される。ヨウ素も相当量出ることになる。

 格納容器は絶対に守らなければならない。失敗すればチェルノブイリ原発事故のように、 大気中にプルトニウムなどの全ての放射性物質を大量にまき散らすことになる。

 メルトダウンなどの過酷事故になれば、格納容器を守るために放射能を含む気体を放出しなければならないというのが、格納容器ベントの考え方だ。これは「約束違反」である。大量の放射性物質を拡散させながら格納容器を減圧するなどは設計基準事故を超える。このような事態が避けられない原発は、そもそも認可してはならない。

 この装置の運用方法が全く分からないので「住民避難の実施状況が把握できない場合は、ベントをしないとの判断であると思われるが、特殊な気象条件が出現している場合も、ベントが出来ないケースが存在すると思われる。それらについても説明すること。」という質問を出していたが、これに対する答えがすさまじい。

恐ろしい回答
 事前質問に対して「ベントが出来ない気象条件は無い」「ベントをするに当たってはファックスや職員を派遣する等で広報対応する」という趣旨の回答がなされた。また、「格納容器が破損するよりもベントをしたほうが遙かに住民被曝を低く抑えることが出来る」などと説明した。ベントは事前の手順書に従い発電所長が原発の安全を確保するため、必要に応じて実施すると断言した。しかし手順書の公開は拒否した。

 いかなる気象条件でもベントが出来るとなれば、格納容器が危機的と判断すれば、気象条件が悪かろうとベントをする。この回答は重大だ。

 柏崎刈羽原発は日本海にあるから、冬は大雪に見舞われることもある。強い季節風は遠くまで放射能を拡散させる。気象条件が悪ければ拡散した放射能は地表付近を漂い、住民を直撃するかもしれない。福島第一の事故では、内陸に風が吹いていた時間帯にも格納容器ベントを試みている。これが被曝を増大させる一因になった。

 ベントは、もともと約束違反で、住民を大量被曝させ、従業員も活動不能な事態に追い込む危険性が高い。いかなる気象条件でも作動させると「悪魔の宣言」をしてくれた東電。これでも柏崎刈羽原発の再稼働を認めるつもりですか。と、原発再稼働を求める地元の商工会議所と議会に問いたい。(Y)

*脱原発・東電株主運動ニュースNo.249(2015年7月12日発行)より。
6月25日(木)東京電力株主総会 当日の動きについて
 ●東京電力第91回定時株主総会
6月25日(木)10:00~(受付9:00)
会場:東京国際フォーラム ホールA(JR東京駅、有楽町駅ほか)
総会当日、脱原発・東電株主運動では、開会前に会場付近でチラシまきとアピールをし総会後には別会場で報告会&反省会などを行います。
総会にご出席の方はぜひご参加ください。
・チラシまき
8時40分頃から会場の入口付近で、当会のチラシ「今総会の見どころは?」を株主に配布します。
アピールも予定しています。
・株主提案席
例年通り、会場内の前方中央付近に30席設けられます。
この席には当会事務局員や議案の趣旨説明者らが着席する予定です。
提案株主は誰でも座れますので、着席希望の方は、会場係員に提案株主であることを告げてください。案内されます。
ただし9時40分までに着席していないと他の株主に解放されますので、着席希望の方はお早めにご来場、ご着席ください。
・総会終了後、会場前広場で簡単な小集会を行います。
・総会後は別会場で報告会&反省会をします
場所:新富区民館(03-3297-4038 中央区新富1丁目13番24号)
総会会場の東京国際フォーラム東口の目の前の道路を右に折れ、JRのガードをくぐり直進(京葉線の走っている上の道路)。桜橋の角を右折。徒歩12分程度。
総会終了1時間後ぐらいから開始。総会後の小集会で告知します。
ぜひご参加ください。

今年も全国で脱原発の株主提案が行われます
 東京電力の他にも、今年も原発を持つ全ての電力会社で、一斉に脱原発の株主提案が行われます。
ここでは、各電力の株主運動の株主提案をまとめてみました。ぜひご注目ください。
なお、株主総会の開催日はどこも6月25日(木)のようです。
既に各電力会社のホームページに、株主総会の開催通知書などのPDFファイルが掲載されています。
株主提案の全文はそちらもご確認ください。
下の「続きを読む」をクリックすると各地の株主提案の概要が表示されます。

続きを読む
昨年総会での強制退場転倒事件を当事者が語る
 株主の堀江鉄雄です。昨年の株主総会では、私の強制退場転倒事件で株主の皆様にご迷惑とご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。転倒により一時的に気を失い、部分的に記憶を失いました。元々悪い頭ですから悪くなったかどうかは判然としません。今年は、皆様にご迷惑、ご心配をお掛けすることはないと思いますので、よろしくお願いします。

 昨年11月5日に東電に出した「抗議と要請」(この後に掲載)に書きましたが、私の昨年の株主総会での質問は3年ぶりでした。東電が「実質国有化」されてからは無視されていたので、どうしても質さなければならない問題(1000億円の遮水壁を金がないと言って回避したため、3年(昨年時)も汚染水を垂れ流し続けている。12万の避難者に対する不十分な損害賠償、一方では再稼働のためには4700億円を使っている)がありました。

 事故を起こしたこと自体許されることではないのに、その後の事故対応・収束も満足にせず、原発を「再稼働させる」はないでしょう。事故原因、事故収束、損害賠償の責任を取ることが最低の「事故の責任を取る」ことで、事故発生者の責務です。東電はこれらの問題、課題を実質放棄・先送りにしています。

 3年ぶりということもあり、つい長くなったのだと思います。質問に、まともに説明(回答)してもらえるならば、質問時間は短くてもよいのです。当日の私の質問(実はどう質問したのか憶えておらず、ネットの投稿で知りました)に対する説明を東電から聞きました。アレッ!! 聞いたはずの質問とは違う一般論の説明です。今年3月にようやく出てきた東電の「抗議と要請」への回答も同じです(この後に掲載)。

 この問題は、1年経った今年も残念なことに何も解決されていません。昨年の私のような事件は、「実質国有化」以前には起きなかったと思います。ここまで強権的な議事進行はありませんでした。この問題の本質は、議事進行ではありません、情報公開の問題です。「事前質問」にも、やはりまともに回答していません。

 「実質国有化」により、以前の株主だけではなく消費者、納税者にも「情報公開」と「説明義務」があるはずです。また、東電の支払う損害賠償金は、消費者の電気料金と納税者などの税金で支払われています。しかし、金は出せ、口は出すな、強行は、アベノミックスの本質です。

下の「続きを読む」をクリックすると
昨年11月5日に東電に出した「抗議と要請」と、今年3月にようやく出てきた東電の回答
が表示されます。

続きを読む
私たちの株主提案議案にご賛同ください(賛同の受付は終了しました)
 2011年の東日本大震災から4年が経ち、多くの人が原発事故を忘れているかのような日本に2月末、衝撃が走りました。福島第一原発で高濃度に汚染された雨水が海に流出していたのです。

 東電は昨年4月から把握していたにもかかわらず、雨水に関しては全く管理対象にもせず、降った雨は敷地内で汚染され、そのまま外洋へ垂れ流しになっていました。そしてその言い訳が「雨水だから仕方がない」と思っていた、市民と東電で優先順位が異なっていた、というのです。

 過酷事故の反省がないばかりか、東電全体が感覚が麻痺していると言わざるを得ません。この汚染水漏れは、日本ではなぜかそれほど大きく報道されていませんが、海外のメディアでは大きく扱っています。

 こんな東電を変えるために東電の株主として、原発からの撤退を示し、過酷事故を起こした会社として社会的責任を果たす記念すべき株主総会にしましょう。

 本年6月の株主総会にご欠席の場合は、東電より送付されます議決権行使は白紙委任(議決権行使書を白紙で投函することは原発推進につながります)、または棄権されることなく、ぜひとも私たち脱原発・東電株主運動が提案する株主提案議案にご賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
2015年3月22日
脱原発・東電株主運動事務局
〒216-8691 川崎市郵便事業株式会社宮前支店 私書箱19号

※2015年の脱原発株主提案議案への賛同を募るため、2015年3月22日に発送された書類より抜粋。
賛同の受付は終了しました。たくさんのご賛同ありがとうございました。
 株主の方は総会に出席して、あるいは開催通知の返送時に、ぜひ私たちの株主提案に賛成してください。

東電の株主の方は、私たちの株主提案にぜひご賛同ください
 下記のリンクから、提案株主になるための書類をダウンロードできます。
参考書類(1)と(2)をよく読んで、送付書類(1)~(3)をお送りください。
 申し訳ありませんが、送料、手数料等はご負担ください。
 送付書類(1)と(2)は3月30日(月)~4月16日(木)の間に郵送または提出、
 送付書類(3)は4月23日(木)必着です。
 詳しくは株主提案マニュアルをお読みください。

●株主提案議案賛同のための各種書類のダウンロード
参考書類(1)2015株主提案.pdf
参考書類(2)2015株主提案マニュアル.pdf
送付書類(1)2015送付先指定書.pdf
送付書類(2)2015個別株主申出書.pdf
送付書類(3)2015合意書用紙.pdf
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東京電力第91回定時株主総会 共同株主提案議案
※東電の定款の体裁に合わせるなど、議案の文章を一部修正しました。議案の趣旨は変わりません。(4月24日)

下の「続きを読む」をクリックすると株主提案が表示されます。
続きを読む
「ふくいち」の今と再稼働問題
1 1~3号機燃料プール
 4号機の使用済燃料プールの燃料取り出しが完了したことは、一つの朗報ではある。しかし1~3号機と5、6号機は燃料プールからの使用済燃料の取り出しは終わっていないことを忘れてはならない。特に3号機の燃料プールは4号機と同様に建屋の損傷があるため、危機的状況が依然として続いている。

 1、3号機はオペレーションフロアが爆発で破壊され、作業の前に瓦礫の撤去などの事前処理をしなければならないが、一昨年に粉じんなどの飛散防止剤を散布する際、薄めすぎて効果を無くすような「散布」をしていたなど、依然としてやっていることが信じがたいレベルの杜撰さである。

 2号機は建屋が一見健全なだけに、オペレーションフロアなどの高濃度放射線の作業環境を解消することができない。そのため燃料取り出しの目処すら立っていないのが現状だ。
 今年は使用済燃料プールの安全性確保のためにも重大な年になるだろう。

2 汚染水対策
 深刻化し続ける汚染水問題について、東電はトレンチの汚染水を今年度中に「回収」完了する目標を掲げていた。安倍首相の「アンダーコントロール発言」に応じたものだが、無責任な発言に振り回されることになった。

 汚染水から大半の放射性物質を除去する「多核種除去設備(ALPS)」は9~10月に2基を追加し、試運転ながら3基体制で汚染水を処理してきた。しかし毎日数百トンずつ増え続ける分も処理しなければならず、現状を維持するのがやっとのありさまだ。

 汚染水の量を抑制しようと昨年5月に、建屋へ流れ込む前の地下水を35メートル盤の位置で井戸からくみ上げ、海へ放出する「地下水バイパス」を、地元をはじめ多くの反対の声を押し切って強行したが、実効性は見えない。

 6月には1~4号機建屋周囲の地盤を凍らせて地下水の流入を遮断する「凍土遮水壁」の工事を始めたが、埋設物が多数あるので、その干渉を避けて工事は進んでいる。特に海側のトレンチ(海水配管やケーブルが通る地下隧道)内の汚染水を抜き取る作業は難航している。

 現在、トレンチにはセメントの注入が続けられている。しかしトレンチの底部には津波により持ち込まれた土砂が堆積し、これに高濃度汚染水が含まれてしまい、除去不能な状態になっている。

 セメントでトレンチ内を固め、汚染水を抜き取ったとしても、土砂の層に含まれる放射能のために、トレンチの亀裂から地下水が流入して汚染水となり、それがまた漏れ出す。背に腹はかえられぬとばかり、大規模な漏えいにつながるトレンチ内の汚染水除去を優先するためコンクリート注入工事は続行されているが、将来に大きな不安を残した。
 結局、年度内の汚染水撤去は断念することになった。

3 見通せない将来
 2号機のトレンチにはタービン建屋から流れ込んだ汚染水が約5000トン溜まっている。再び大地震や津波が発生したら汚染水の大量漏えいにもつながりかねない。東電はコンクリートに押されて汚染水が完全に除去できると考えた。しかしトレンチには津波で運ばれた土砂などが大量にあることが昨年11月に明らかになった。東電の推定でも砂に約25トンの汚染水が含まれるとするが、実際に計れているわけではない。

 トレンチの底は地上から約12メートル下。「セメントでふたをしたような状態」になるため、今後の回収はますます困難だ。
 トレンチ付近の空間線量は常時、毎時1ミリシーベルト程度と高いため、作業は極めて困難である。

 さらに東電は、原発周辺に設置されている汲み上げ井戸「サブドレン」からの地下水を海に放出する計画を立て、地元漁協などに同意を迫っている。しかしこの水には大量のトリチウムが含まれており、これは除去できないのでトリチウムの放出経路になる。これが新たな海洋汚染を引き起こすことを懸念し、漁業者を中心に強い反対の声が湧き上がっている。

4 再稼働の問題点
 航空機事故であろうと列車事故であろうと、事故原因の究明と再発防止対策が出来なければ運行停止が当然。福島第一原発事故は本当の原因も解明されたとは言えず、再発防止など検討の域にすら達していない。東電も過去に起きた事故、例えば福島第二原発3号機事故では、再発防止対策がされなければ再稼働が出来なかった。

 3.11以降は、原発で過酷事故は必ず起こり得るものとして、電力会社が対策を取ることは最低限の条件である。少なくとも老朽炉を中心に廃炉とすべき原発が確実にいくつもある。特に第1世代及び老朽化により問題のある加圧水型軽水炉と沸騰水型軽水炉は全て動かすべきではない。(敦賀、女川1、島根1、東海第二、浜岡3、美浜1~3、高浜1,2、大飯1,2、伊方1,2、玄海1,2、川内1,2)

 それさえ守れない現状では、次の原発震災は日本を壊滅させるということを、国や電力及び「原子力ムラ」には繰り返し再認識させなければならない。

5 事故対策や防災体制なし
 米国やヨーロッパの原発では、原発の安全性対策と防災体制がセットで機能していなければ稼働できないとする考え方が一般的である(IAEAの深層防護第5層)。それでも形骸化や非現実的体制などの問題が多くあるのだが。

 再稼働の前提条件としては、過酷事故対策が構築され、仮に福島第一原発事故以上が発生しても、被曝する前に住民を避難できるような体制を国が主導して作る必要がある。しかし実際には、地方自治体に原子力防災を丸投げした状態である。いうまでもなく財政規模や人員配置などからも、実際には住民を守ることが出来ないことは誰の目にも明らかだ。

 防災計画を策定するのならば、国が責任を負うべきだが「国と自治体は対等の立場」と言いつつ責任だけを自治体に丸投げしている。これで再稼働するのか、というのが実際のところ。各自治体住民こそが「命を守れない」と立ち上がるべきだ。

6 再稼働の順番とは何か、再稼働の合理性もなし
 川内原発の再稼働を最も早くすべき合理的理由は何もない。基準地震動の策定を規制委員会の要請どおり620ガルに設定したことで、規制委の優先審査対象になったというだけだ。
 ところが途中から、火山ガイドラインなど川内原発にとって死活的に重要な安全基準が必要になったのに、火山の専門家も参加させず、火山憤火予知連が噴火を予知(予測)することは困難としていたのに、事業者(九電)が火山対策ができるという「作文」を出しただけで通ってしまった。川内の次も、なぜ高浜かという説明も合理的なものはない。言うまでもないが電力(エネルギー)不足などでは全くない。

 どうして原発の再稼働が必要なのか、国のみならず自治体の首長や議会も住民に説明すべきである。特に立地自治体は周辺自治体に重大な危険をもたらす責任があるのだから、周辺自治体は立地自治体に対して納得できる再稼働容認の説明をさせなければならない。

 重大事故が起きる可能性がある以上、損害賠償についても、再稼働を容認した自治体にも応分の負担(事故の賠償だけでなく保険金の負担なども含めて)をさせるべきだ。それでも原発を選びますか?と。(Y)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.245(2015年2月15日発行)より。
東電株主代表訴訟――これまでの経緯と展望
はじめに
 2011年3月11日の東日本大震災に起因する福島第一原発震災は、発生から4年が経とうとする今でも、約12万人もの人々から故郷を奪い、生きる場を奪っている。
 空間線量が年間1mSvを超える地域は依然として広大に広がり、除染の効果も限定的なのに、高い線量地域においても帰還が行われている。

 未曾有の原発災害を引き起こしたにもかかわらず、東電経営陣をはじめ刑事責任を問われた者はいない。少なくとも損害を被ったり生計を立てられなくなったりした被災者の損害を弁償するくらいは東電経営者が率先してすべきだが、自ら私財をなげうった者はいない。もちろん東電に賠償責任はあるが、それすら遅々として進んでいない。金額は「査定」で値切られて、平均は請求額の半分以下だという。

 賠償金の原資は、市民の支払った電気料金である。これもおかしな話で、例えば東電管内の被災者は自ら支払う電気代から賠償を受けることになる(ただし現在は累計約4兆4000億円を国の原子力損害賠償・廃炉等支援機構から交付を受けて被災者に支払っている。つまり国費で賄っている状態)。

提 訴
 そもそも東電の引き起こした災害は、東電経営者がまず弁償をすべきであるとし、2011年11月、東電株主が「東電取締役に対する訴え提訴請求書」を東電に提出した。これに対しては12年1月に「訴えない」とした旨の「不提訴理由通知書」が送付された。
 そこで12年3月5日、現在と過去の経営に責任を有する取締役27名に対して「株主代表訴訟」を起こした。この訴訟は株主でなければ提訴できないので、「脱原発・東電株主運動」の会員が原告の中心である。
 裁判の結論が出るのはもっと先だが、その経過で重要な成果がいくつも出ている。

テレビ会議録の公開と吉田調書
 12年6月に始まる口頭弁論で裁判がスタートし、当時から話題になっていた事故当時の本店、原発(福島第一・第二、柏崎刈羽)をつないでいるテレビ会議の映像音声記録を公開するよう求めるとともに、東電に破棄されないようにするため証拠保全の申請をした。現在もテレビ会議録のコピーは裁判所が保管している。このこともありテレビ会議録の公表へとつながった。その結果、震災当時は分からなかった多くの事実が明らかになった。
 なお、東電による記録の公開は「政府事故調査委員会報告が出た後に」行われた。事故報告書に影響を与えるのを避けたとみられる。

 さらに、政府事故調査委員会が行った聴取記録の公表も迫った。これも現在は一部が公開されている。特に吉田調書として知られる、第一原発所長だった吉田昌郎氏の証言が、一部マスキングされてはいるものの公開された。なお、その他の証言録は公表を望まない人の分は公表されていない。株主代表訴訟の被告人の記録も有るのだが、全く公表されていない。
 これらの記録はいうなれば「多大な犠牲を払った国民全ての財産」である。全て公表してしかるべきものということに変わりはない。

補助参加人
 訴えは取締役個人に対して起こされた。東電を訴えているわけではない。むしろ取締役に損害賠償請求を行うように東電に求めているが、「補助参加人」という立場で敵対的に訴訟に参加してきた。これもまた、「どっちを向いている会社か」を明確にしたものだ。被災者への賠償よりも取締役個人の利益を守ろうとする姿勢だ。

 原発震災については、大きく2つの局面で責任が問われている。一つは「予見可能性」、もう一つは「結果回避可能性」である。
 原発を保有し運転してきた東電の責任は、その経営者こそが「発電方式」として原発を選択し、福島(双葉、大熊、楢葉、富岡町)と新潟(柏崎市、刈羽村)に立地したことにある。自動的に行われたわけではなく、経営者の判断と選択によるものだ。
 自然災害により原発が過酷事故(シビアアクシデント)を引き起こすことを予見し、それを回避する義務が経営者には当然にしてある。その義務を怠った経営者にこそ賠償をする第一義的義務がある。

予見可能性
 原発事故の「予見可能性」とは、過酷事故につながる可能性のある事態が発生することを前もって分かるかということだ。「何年にもわたり学会・委員会等の調査・研究報告等により可能性を指摘され、東電自身の試算でも“津波対策”は不可欠であったとの結論にもかかわらず、十分な対策を取らなかったこと、最善の対策である『原発の停止』をしなかったことは善管注意義務違反」と原告は指摘した。

 背景には「原発震災に至るまでの約9年間の諸研究や中越沖地震の教訓などから、被告らは炉心溶融事故を十分予見可能。3.11の4日前には東電自ら過去の大地震を踏まえた試算結果を保安院に報告している事実」が明確に存在するからである。

結果回避可能性
 原発事故の「結果回避可能性」とは、仮に地震や津波に遭遇しても過酷事故に至らないよう、建設や設備や運転管理において対策をすべきことを言う。安全性を考慮して安全保護系統を地震や津波に十分耐えられる構造にするとか、津波対策ならば海抜の高い場所に重要機器を設置するとか、緊急時に備えた対策を策定し、日々訓練と共に十分な対処が出来るように更新を続けるなど、いろいろ考え得る。

 過酷事故が起きても放射能大量放出に至らないように、過酷事故対策を準備するとか、追加の支援策を投入するなどもあるだろう。もちろん最良の結果回避可能性は、事故前に原発を廃炉(または長期休止)にすることであるのは言うまでもない。

津波評価と対策
 東電の予見可能性に関連し、貞観津波などの知見について、収集してはいたが、土木学会原子力部会津波評価部会による津波波源の評価に基づき津波対策を行うこととして、津波評価検討の委託を行ったまま、具体的には何もしなかった。

 2008年の非公式検討のために行われていた会議で「土木学会の断層モデル策定により科学的かつ合理的な安全対策を実現すること」が決定された。福島第一原発震災を食い止める道が絶たれた決定的瞬間である。

 この決定に主に関与したのは、武黒、武藤両取締役である。これらの意思決定に繋がる重要情報は、吉田調書によれば「20年の6月、7月ころに話があったのと、12月ころにも貞観とか、津波体制、こういった話があれば、それはその都度、上にも話をあげています。」と証言している。勝俣会長と清水社長を含む被告人に情報は十分伝えられていたのである。原告は「不知」または報告が「実際上もなかった」なる認否ないし主張をすることは、それ自体嘘以外の何ものでもないと、準備書面10(14年9月25日付)で指摘している。

 この時点で既に敷地標高を超える津波が来る可能性は、多くの研究者により確実視されていたばかりか、東電自らのシミュレーションや試計算においても確認されていた。
 また、津波堆積物調査により、南相馬など原発から数キロのところにも痕跡が見つかっていて、貞観津波などが繰り返し襲ってきた歴史的事実が認められていた。東電自らも行っていた堆積物調査でも、知っていたことだと思われる。

 東電は少なくとも08年頃には対策に必要な情報を保有していた。第二原発の南側に位置する東海第二原発(茨城県東海村)では、別の波源情報に基づいたものではあるが、日本原子力発電は直前に海水ポンプについて対策を実施していた。これは2011年の津波にある程度効果があったことが認められている。
 同じ原子力事業者間でも対策に温度差があり、それが結果を異なるものとした事実は、東電の対応が如何に遅きに失しているかを物語る。「何もしない」ことを決定した経過にこそ、義務違反があると主張してきたのは、その意味でも正当なのである。

告訴のゆくえ
 株主代表訴訟とは別に、市民が東電取締役を含む責任者を「業務上過失致死傷罪」で刑事告訴している。そのうち3名の東電役員に起訴相当、1名に不起訴不当の決定が検察審査会により行われた。
 14年7月31日、東京第五検察審査会は、東京地検が13年9月9日に不起訴処分とした東電元幹部ら42人のうちの3人について、業務上過失致死傷罪で「起訴相当」とする議決を行い公表した。議決は7月23日付、議決書は7月30日付であった。

 検察審査会が「起訴相当」としたのは、勝俣恒久元会長、武藤栄、武黒一郎の両元副社長である。小森明生元常務については「不起訴不当」とした。榎本聡明、鼓紀男元取締役については、権限がないという理由で不起訴相当とされた。起訴相当の検察審査会議決が2回続けば、強制起訴となり、公開の裁判で福島原発事故についての刑事責任の有無が論議される、画期的な裁判が開かれることとなる。

 告訴は刑事責任を問うものであり、民事責任の追及とは異なる基準で行われる。起訴される基準のほうがより厳しい。すなわち起訴相当と議決されたことは、株主代表訴訟にとっても極めて重要である。

審理のゆくえ
 裁判は予見可能性を巡る原告側と被告側の準備書面や求釈明書の往復が続いている。要は文書上で議論をしている段階である。「認める、認めない」「不当だ、正当だ」といったやりとりが続くが、証拠は文献ないし図面等なので、今後は証人調べ、被告人の証言要請など、人への尋問などを求めていくことになる。
 吉田所長が亡くなった今は、証言に登場する記名、無記名の人々に具体的な経過について語ってもらいたいところである。

 これからも法廷内外で、調査、分析、立論、立証が続けられる。それが煮詰められた結果の集大成が、法廷に証拠書類として提出される。
 今後も株主代表訴訟原告としては、できる限りわかりやすいように、法廷においてのプレゼンテーションや資料の配付、販売を通して、東電取締役の責任を追及していこうと考えているので、ご期待願いたい。(Y)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.244(2014年1月18日発行)より。

東電株主代表訴訟ブログ
http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/


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Author:脱原発・東電株主運動事務局
私たちは1989年以来、株主の立場から脱原発を訴えています。ぜひ会員になって活動を支えてください。株主でなくてもなれます。ニュースを年10回発行。年会費2500円です。
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