脱原発・東電株主運動
NUCLEAR PHASE-OUT TEPCO SHAREHOLDER'S MOVEMENT
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原子力規制委員の悔恨と糾弾
 東京電力の津波予見性に関して、ある地震学者が地震学会誌の9月号(季刊第65巻)に、悔恨の弁を展開している。それは『過去になかったものは将来もない』とする東電、土木学会、中央防災会議の固定観念を糾弾するもので、「これが、いわゆる『想定外』の津波災害と原発事故とをもたらした」としており、12月13日の株主代表訴訟第4回口頭弁論において重要な原告側証拠として示された。

 東京電力がしばしば抗弁する「波源モデルが未確定」とはいったいどういう意味か。波源とは、地震でいえば活断層と考えればいい。津波は、地下の断層の上下方向のずれによって、その上部海面が上下することから発生する。つまりどの領域の海面が隆起もしくは沈降するかが重要だ。隆起すれば押し波、沈降すれば引き波となる。

 3.11では非常な高さに盛り上がり四方八方に巨大な量の海水が押し寄せていった。似たような経験が1896年の明治三陸地震であり、2万の犠牲者を生んだ。その波源は三陸沖の東、日本海溝に沿った領域であり、同じことは長大な日本海溝沿いに起こり得ると考えるのは極めて自然だと思われる(海溝沿いの浅い地盤は、岩盤の性質が柔らかいために、強い地震波は出さないが、津波は脅威となる)。

 事実、文科省の地震調査研究推進本部(以下、推本)では、2002年7月末に「三陸北部から房総沖の海溝寄りのどこでも明治三陸地震級の津波地震が発生する」とした報告書をまとめた。これが、当時全国のハザードマップ作成に取り組んでいた推本の「長期予測」であって、単に一地震学者や学者グループ、研究施設による研究成果ではなく、東京電力にしてみれば最高の学問的権威であったはずである。

 ところが上には上がいる。内閣府の中央防災会議(以下、中防)だ。東海地震の防災のために設置された中防から横やりが入り、発表を見送れ、さもなくば報告書に『信頼性が低いから防災には考慮しなくていい』という趣旨の前書きを付すようにときた。防災対策に多大の投資をすべきか慎重な議論が不可欠である、と政府の防災機関にあるまじき文言が示されていた(『文藝春秋』2012年5月号、柳田邦男)。

 さらに1年後には、中防に東海地震に次いで2つ目の専門調査会を設置、日本海溝・千島海溝によるプレート境界型地震に関する防災対策に着手する。意図は結果をみれば明らかである。2004年5月、この地域の研究の先端を行く学者委員たちの反対を押し切って、事務局案が確定。福島県沖と茨城県沖は除かれたのだった。

 この時点で、この領域に関する過去の津波堆積物調査と貞観地震津波の研究は進んでおり、800キロにわたる日本海溝のうち明治三陸津波は200キロ程度、貞観津波による堆積物は福島県相馬市でも確認などを前提に、地震空白域(実は人間が知らないだけ)においてまれに起こる巨大津波地震を想定すべきとして前述の固定観念と対立した。

 その後、堆積物調査はさらに進み、先の長期予測の改訂版を準備中に3.11を迎えてしまった。中防で推本の長期予測通り確定していれば、両県の自治体の防災対策を促していたはず、今回の多大な犠牲者は両県に集中すると冒頭の地震学者は慨嘆する。自身も中防の委員であった。

 その人は島崎邦彦。新規制委員会の委員長代理を務め、敦賀・大飯の活断層見直しを握る時の人。文春記事にあたって柳田邦男のインタビューを受け、水俣事件等々の公害事件を予測しながら被害を拡大した行政責任を学んだという。

 1ト月ほど前、島崎氏の講演後、質問にさいして同じ言葉を規制委への要望として伝えたが、残念ながら返事はなかった。今度こそ圧力に屈しないでもらいたい。(A)

*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.223(2012年12月16日発行)に掲載されたものです。
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