脱原発・東電株主運動
NUCLEAR PHASE-OUT TEPCO SHAREHOLDER'S MOVEMENT
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都知事選と福島
 都知事選最終日、都心は25センチの積雪を記録、45年ぶりの大雪となり、投票率は46.14%だった。25センチで大雪とは恐れ入るが、東京では5センチ以上で大雪とされるとか。それほど温度差の大きい東京において、国政は進められていく。

 都知事選は、直接首長を選べるのだからフィーバーして当然。しかし昨今はまるっきり人気投票と化していて、政策は二の次だ。そんな中、律義に懇切丁寧に政策を訴え続けた宇都宮健児前日弁連会長の姿勢は爽やかだった。前号に書いた通り、年越し前の12月28日、先頭を切って穏やかに明るく覚悟を表明した。

 だが結果はまたもや次点。脱原発2候補の得点を合計しても若干足りなかったものの、舛添要一に「(緩やかな)脱原発」を政策に掲げざるを得なくさせた。ただ安倍政権にとってはかすり傷ほどであろう。再稼働に向けてはハードルは少なくないと思うが、高レベル処分場設定への強行が今後危惧される。

 こうした結果を見越しての「脱原発一本化」希求だったことはもちろん承知している。ただ、結果から見るに、一本化されていれば勝てたかというと、そうたやすくはない。まず告示前に宇都宮が降りていたら、共産党は別途独自候補を立てたかもしれない。告示後はマスコミとくにTVによる徹底的な原発争点隠し。TVにとって最高にオイシイはずなのに、小泉劇場を極力ネグレクト。NHKに至っては、6、7日の朝の定番「おはよう日本」、7日の首都圏ローカルでも、都知事選の報道自体いっさいゼロ(日刊ゲンダイによる)。新聞までが、投票日朝刊のトップにない(東京新聞以外)なんてことがこれまでにあったろうか。都知事選隠し、低投票率への誘導までしたのか。

 これが、何らかの大きな力によるものだとしたら、今後いかに闘うべきか。
 ここに、その答えが示されている。選挙結果を受けての、「希望のまち東京をつくる会」と宇都宮けんじ選対による総括の一部だ。

 『宇都宮さんの、社会的に困難な状況にある人たちへのやさしい視線、社会を見る時の確かな識見、改革に取り組む時に市民と共に運動を作りながら進む民主的な手法、そして権力と渡り合い、課題を実現させる時の粘り強さと力強さは、確実に有権者の心を捉え、大きなうねりを作り出し、選挙演説を聞いた人々が投票するだけでなく、次々に運動員となってくださいました。まさに、この市民選挙は、このような感動的な出会いと協同の機会を作りだし、選挙そのものがひとつの社会運動となっていったのです。』

 それは、あたかも宇都宮教授による壮大なフィールドワークだった。自分自身、戦後の貧しさとは異なる格差拡大の中での貧困と人権無視が、ここまで身近に迫っているとは思っていなかった。路上に追いやられた人たちだけではない、膨大な貧困が蔓延していること。およそ脱原発を都知事選一本で実現しようというのは間違いだと指摘されたのだ。

 宇都宮選対に顔を出して感じたのは、若い男女が、とても落ち着いた雰囲気で支持していたことである。時に子連れで応援に通う。脱原発の活動家ではないが、原発ゼロ当たり前という認識。その上に、反貧困や差別、福祉などにしっかりした見識を持つ候補と理解して応援しているのだった。特定の党派でもなく、それを「市民が共産党をハイジャックした」と宇都宮さんは最終日になって表現していた。

 3.11の直後に実施された前々回、石原261万+ひがし169万+ワタミ101万の合計はなんと532万、88%。前回はこれを100万減、今回は200万減(前々回からは300万減)。「民主主義を取り戻す……その最初の選挙が、今回の都知事選挙です。」と、これも宇都宮フレーズ。

 こういう人材を知事室は待っていると思いつつ、脱原発候補2人という望外のぜいたくの前に、全面展開できなかった我が不甲斐なさを恥じる。投票日直前『宇都宮さんが都庁で仕事ができます様に!祈るしかないです。』(知事でも副知事でもいいからとの意)という悲鳴の携帯メールが福島から入った。

 『千載一遇のチャンスと皆さん言われますが、そうなのでしょうか。「これでお終い」なんて私たちが考えては、いけないのではないのかな。』とは福島原発告訴団長の武藤類子さんから。

 「脱原発」シングルイシューと言いつつ、肝心の福島の被害者たちのこころを置き去りにして進めているのではないか。そう気がついて、終盤になって声をかけたところ、3人の方が快く応じてくださった。雪のなか、最後の街宣まで無理をおして3日間も熱烈アピールを続けてくださったのは静岡へ自主避難の長谷川さん。2児の父だ。福島の方々は揺るぎなかった。(A)
*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.235(2014年2月16日発行)に掲載されたものです。
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脱原発は革新勢力だけでは不可能――都知事選を脱原発勝手連で闘って
 2月9日、全国の期待の中、東京都知事選挙は無惨な結果に終わった。安倍首相は早速、一時棚上げしていた、原発をベース電源とすると謳ったエネルギー基本計画の閣議決定を月末にも実行すると発表し、再稼働への切符も手に入れたと大喜びである。

 昨年末、自らの選挙資金として徳州会から5000万円を借りたことが発覚し、猪瀬都知事は辞任に追い込まれた。これをチャンスにするため、多くの方々が候補者探しに奔走した。私も鎌田慧さんなどと連絡を取り合い、候補者を探した。そこにあったのは、「この闘いは勝たなければならない」「秘密保護法の次に来る暗黒の時代にストップをかけなければならない」「そのためには、革新勢力だけでない、保守勢力をも巻き込める候補者でなければならない」そんな悲痛な思いだった。

 そして私たちの思いが通じたかのように、細川護煕元総理が立候補するようだとの知らせが入り、小泉純一郎元総理とタッグを組み、「原発即ゼロ」のシングルイシューで闘うという。みんなが興奮した。30年前、40年前から原発をゼロにしたいと闘ってきた人びとである。全国各地の原発現地からも期待が寄せられ、広瀬隆さんも樋口健二さんも福島菊次郎さんも応援した。

 当然、「いい人が出馬すれば降りる」と言っていた宇都宮健児さんは立候補を取りやめると思った。しかし、宇都宮さんは「原発より他にも大事な課題がある」と、あっさりと安倍の原発争点隠しに加担してしまった。どんなに素晴らしい政策が実施され、貧困がなくなり豊かになっても、原発が事故を起こせば生活の基盤はすべて失われる。どの政策よりもまず脱原発を実現し、安全を確保することが最優先課題だとの認識が3.11以降の「脱原発」の思いだったのではないのか? またしても、命よりも目先の経済(貧困問題も)だと国民を騙すのか?

 河合弘之さん、鎌田慧さんを共同代表に都内の市民団体、環境NGO、自治体議員が結集し「脱原発都知事を実現する会」を結成、候補者一本化に向けての話し合いも行い、この流れは最後の最後まで諦めずに行われた。同時並行で私たちは「脱原発勝手連」を結成し、細川護煕さんを応援した。四谷3丁目に事務所を置き、一部は細川選対の強力なサポートをし、独自に確認チラシ50万枚を撒ききった。現在の公職選挙法では公示後にできることは限られているため、私はもっぱらTwitterを駆使して広報活動に務め、事務所に詰めた。

 Twitter仲間がイギリスから里帰りし、OFF会を開いたことで、リアルに繋がった人びとが選挙を応援、連日事務所では「兎のアイコンの○○です」「黒猫の△△です」などという自己紹介が飛び交い、そこにはかつて自治体の議員だった人や、選挙は初めてだというネットの達人などもいて、事務所は活気を帯びていった。

 細川さんへの応援もご自身で名乗りを上げてくださり、中には「明日から仕事が減るだろうと思いつつも、ここで黙っていてはいけない」と立ち上がってくださった俳優や作曲家、歌舞伎役者などもいらした。91歳の瀬戸内寂聴さんは「みなさん心配してくださるけど、情熱を失ったら老いるの。私は情熱があるから恋もできるし革命だって起こせる」と演説。

 細川さんも小泉さんも「首相でありながら原発の安全神話に騙されていた」ことを毎回詫び、「原子力ムラとの対決」を誓い、「日本が戦前のようになっている」ことを危惧して、2万人もの聴衆が集まった銀座4丁目では細川さん小泉さん2人で1時間以上も熱を込めて語り、大きな拍手が何度も起こった。

 しかし、マスコミは「聴衆を写すな」「原発問題を流すな」などの規制をし、争点隠しどころか都知事選隠しをし、冬季オリンピックも使われた。
 そして数十年ぶりの大雪に見舞われた東京は投票率46%。自民公明の組織票を固めた舛添要一氏が当選してしまった。細川さんは政党の支援もなく組織票もない中で100万票近い票を掘り起こした。投票率65%になれば奇跡は起こせると闘ったが、雪とマスコミと、そして何よりも過去を許さない人びとに負けた。

 宇都宮票と細川票を合わせたものが脱原発票だなどと言う人がいるが、潔く負けを認めないこれまでの闘い方が今、私たちの前に暗い影を落としている安倍ファシズムを産み出したのではないか? 100%政策が一致する候補者を担ぎ、負け続けた結果、選挙制度でも公職選挙法でも不自由な闘いを強いられている。議員選挙であれば、主義主張を前面に出すのは正しいかもしれない。しかし首長選挙は勝たなければ意味がない。この千載一遇のチャンスを逃してしまった私たち。

 幸い、細川さんも小泉さんも脱原発の闘いは続けると言っている。保守層の方々とのルートを断ち切らず、相互交流をしながら「命」を守る闘いを続けなければいけないと思っている。そして次回の都知事選では、市民が分断されることなく保守市民とも連携して統一脱原発都知事を実現しなければならない。(K)
*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.235(2014年2月16日発行)に掲載されたものです。


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