脱原発・東電株主運動
NUCLEAR PHASE-OUT TEPCO SHAREHOLDER'S MOVEMENT
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2014年 株主提案権行使の最終報告
ご報告が遅くなりましたが、今年の株主提案は4月24日を株主提案の行使日とし、
以下の株主数、株数で確定しました。

最終有効数:株主数328名、株数2,884個(288,400株)
[うち会員株主216名、一般株主112名]

今年もお陰さまで、株主提案権に必要な300個(3万株)を大きく上回ることができました。
共同提案にご参加いただいた株主様に、心よりお礼申し上げます。
たくさんのカンパもいただきました。ありがとうございました。
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地下水バイパス計画に反対する(その2)
放射能を海に捨てるな
再稼働よりも汚染水問題の解決を


可能な地下水バイパスの条件とは
 敷地内の地下水を海にそのまま投棄することが認められるためには、地下水に放射性物質が含まれていないことを保証しなければならない。
 事故以前に行われていた、原発周辺に設置した井戸からの放流は、建屋周辺の地下水をそのまま海洋放流していたが、この時は原発からの放射能漏れはなかった。日量850トンの地下水は汚染水でないから放流できた。

 今回の計画では、放射性物質が建屋から流出していることを前提とし、それよりも遙かに上流側の井戸から取水する限りは放射性物質は含まれないとしていた。この前提が覆ってしまった。

 建屋から汲み上げていた、放射性物質で汚染された水を、ALPSなどの放射能除去システムを通すことで「浄化」できるとしてきたが、これらのシステムがまともに稼働していない。稼働できない理由はいろいろあるが、サリーやキュリオンといった輸入システムの場合は仕様書も完備しておらず、原因究明も復旧も困難だという。
 ALPSは国も資金を供給して拡張する計画だが、試運転のまま現在もトラブル続きで、再発防止もおぼつかない。

 結局、高濃度汚染水のままで、タンクで貯水しなければならなくなった。
 もともと、そんな汚染水を溜める予定ではなかったタンクに、リットルあたり2.4億ベクレルを超える汚染水が入ることで、少しでも漏えいが起きたら、直ちに高濃度汚染水の環境流出につながる状況になった。

 2月に発生した100トンあまりの汚染水漏えいは、その半分以上がストロンチウム90で、総量では24兆ベクレルに達する。半分以上は回収できず、地面にしみこんでいったとみられる。
 そのフランジタンクが建つ場所は、汲み上げ井戸の上流側である。漏えいが発生すれば汚染水は地下に入り、バイパス井戸から汲み出され、海に捨てられることになる。
 それだけでも地下水バイパス計画は破たん状態にある。

地下水バイパスの効果
 東電の解析では、1号機から4号機の下に流れている地下水は日量800トン、そのうち建屋に侵入しているのが400トンで、残りが海に流れているという。
 上流側で日量800トンの規模を汲み上げれば、地下水量が減るので、建屋に流れる量が100トン減って300トンになるという。
 そんなに単純な話なのかと、普通に考えても疑問になる。実際に、東電の資料でも0から100まで様々なケースがあり得るとされている。

 まず、汲み上げる場所は建屋の遙か上、30m盤上の井戸である。この場所からは原子炉建屋の地盤まで20mの落差がある。井戸は30mの地盤の地下から水を汲み上げるが、地下水の多くは汲み上げ位置よりももっと高い位置から原子炉建屋のある地盤に流入するから、効果は期待できない。東電の言うような4分の3に減らせるというのは最良ケースである。

 さらに、大きな問題が別途生じる。
 東電の見込みに反して地下水位が下がらなければ、現状と変わらないが、もし東電の言うような大きな変動があると、その影響は未知のものとなる。

 2011年に市民団体「東電と共に脱原発を進める会」が東電と議論をしていて見解がすれ違ったのは、地下遮水壁を作った場合の問題点についてだった。
 東電は当時は「地下遮水壁を作り地下水位が建屋周辺で下がることになれば建屋内部の汚染水が地中に流出する可能性がある」としていた。もちろん、通り一遍の危険性議論ではなく、十分な安全対策を取りながら進めればよいと、市民側も図示しながら反論をしていた。

 その問題はどのように解決されたのだろうか。公表されている文書を見ても見当たらない。建屋周囲の地下水位が下がれば、貫通部位から汚染水が流出する危険性はなくなっていないはずだ。
 汚染水対策としては大した効果もない割に、周囲の地下水がどのように動くかを十分に調べもしないで強行される地下水バイパスには、未知の危険性が潜んでいると考えるべきである。

建屋汚染水対策の本質
 汚染水を止めるには2つの方法しかない。
 一つは水を使う冷却方法を早い段階で空冷など別の冷媒を使う方法に転換すること、もう一つは建屋内の汚染水そのものを固化して漏えいを止めることだ。

 冷媒は空冷か金属を使うか、あるいは組み合わせが考えられよう。もちろん、酸素が含まれる空気ではなく不活性ガス、窒素やキセノンなどが考えられる。これが功を奏すると、敷地内を這い回る冷却用配管がいらなくなり、その分空間線量が下がるので、敷地内の作業環境が改善する。つまり労働者被ばくの低減にもつながる。
 水を送るのに要する電力、冷却水を浄化するためのシステム、それらもいらなくなり、投入されるエネルギーも減らすことが出来る。
 地下に溜まる汚染水は、凍結することで外部流出を最小限にすることが出来よう。
 東電は既に、トレンチとの接続部や貫通口などを凍結することで止水する計画を立てて実行しているが、それを発展させれば建屋内部の汚染水を固めてしまうことが出来るのではないか。
 凍結は建屋に負荷をかける可能性はあるが、漏えいを止めるには最も効果的だ。建屋損傷が起きても汚染水が凍っていれば流出を避けられる。
 本来ならば建屋周辺に地下防護壁を作っておけばよかった。今からでも地下に石棺を作る必要がある。

地下水バイパスは解決にならない
 地下水を汲み上げて建屋流入を防止するのであれば、3.11以前に行っていたようなサブドレン井戸を稼働させる方法が最も効果的だ。しかしサブドレンの位置は建屋のすぐ近くで、漏えいした高濃度汚染水を引き抜くことになる。とても海に捨てられるものではない。さらに作業被曝を考えれば、無人工作機器を開発して投入することが求められる。

 また、地下水の挙動や汚染水の流出に伴う汚染状況の確認も十分に出来ていない。調査を行うための観測井戸などの設置があまりに少なすぎる。敷地空間の立体的調査が可能な観測態勢が取られていない。これでは何を行ってみても場当たり的になるのは当然だ。
 もっと十分な地下空間の調査と、発生点で止める方法と、汚染水漏えいの再発防止を徹底しなければ、何をしても別の問題が噴出し、結局は堂々巡りになる。

 その対処を迫られる現場労働者の被ばく線量ばかりが上がってしまい、この点が最大の問題でもあるのだが、東電や国はもちろん、報道でもほとんど関心が示されていない。人の安全を犠牲にしていては、いかなる対策も奏功はしない。(Y)
*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.237(2014年5月18日発行)に掲載されたものです。


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