脱原発・東電株主運動
NUCLEAR PHASE-OUT TEPCO SHAREHOLDER'S MOVEMENT
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朝日バッシングと吉田調書
 朝日新聞とは対極的位置にある『週刊文春』の9月25日号のコラム「池上彰のそこからですか?」では、「朝日批判記事掲載拒否問題」で時の人となった池上彰氏が、朝日新聞社を叩くマスコミに対して次のように批判している。

 「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」(「新約聖書」ヨハネによる福音書より)。池上氏が今回の騒動で最初に想起した言葉がこれだったという。「朝日の検証報道をめぐり、朝日を批判し、自社の新聞を購買するように勧誘する他社のチラシが大量に配布されています。これを見て、批判は正しい報道を求めるためなのか、それとも商売のためなのか、と新聞業界全体に失望する読者を生み出すことを懸念します」。チラシを配布していたのは読売新聞だった。

 もっとも週刊文春には、池上コラムの何倍もの量の朝日バッシングの記事があるので、文藝春秋社の一種のエクスキューズなのだろう。

 「吉田調書問題」は、「従軍慰安婦吉田証言問題」とは大きく様相を異にしているが、通底するのは「現政権の琴線に触れる」問題だということだ。何としても朝日の口を封じたい。一般に特定の新聞社の発行停止などは、どんな政権でも出来ないから、信用を落とす手法が最も効果的というわけだ。

 吉田調書について詳しくは、株主代表訴訟のブログに掲載されている海渡雄一弁護士の論文「吉田所長・緊急記者会見資料」を是非お読みいただきたい。
http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/blog-entry-166.html

 そもそも調書を公開する気が無かった政府に対し、スクープしたのが朝日だった。官邸はリークした犯人捜しに躍起になったようだが、記事を阻止することができないため、別の手段を考えた。それが「誤報」騒ぎだ。

 吉田調書の重要部分は、他の箇所にこそたくさんある。朝日はいずれ吉田調書の全貌を記事にする。その時に大事件になり、原発再稼動どころではない事態になる。
 ならば吉田調書を政府の側から公開しながら、たいしたことがないところに目を釘付けにしておきたいと考えたのだろう。

 東日本壊滅、本当は何の役にも立たなかった自衛隊、自分たちは見捨てられた、貞観津波は巨大津波だったことは経営陣は十分理解していた、などの衝撃的な内容を語っている吉田調書について記事にされることは避けられないならば、それを無化する反撃の手段を準備したわけだ。

 安倍政権の生命線は、メディアコントロールである。報道機関を取り込み、批判を封じることで高い支持率を演出できると考えた。NHK人事に介入し、特定秘密保護法の「有識者会議」座長に渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長を充てて反論を封じ、言論機関の統制を強固なものにしていった。

 朝日たたきは、吉田調書をスクープした記事を逆手に取る方法で実行した。
 この間、安倍政権の下で進められているのは、国家安全保障会議法、特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認の閣議決定、次に続くのは武器輸出三原則の緩和と、原発再稼動に加えて原発輸出、国家の権限強化と国民統制強化に向けて邁進している。
 これを邪魔するメディアを徹底して排除するために「誤報問題」を作り上げた。このやり方は、メディアが「翼賛化」し、いつか来た道を逆戻りする。

 原発推進の翼賛メディアのデタラメ記事は批判もされず、もちろん謝罪も取り消しもない。
 菅直人首相が海水注入を止めているとの2011年5月21日の読売新聞「スクープ記事」は全く嘘だった。一面トップで「首相意向で海水注入中断」という大見出し、「震災翌日、55分間」と具体的時間まで付け加えて報道した。

 吉田調書では、海水注入の中止指示は、当時官邸詰めだった武黒フェローから電話で受けていたことが明らかになっている。首相は全く関与していない。
 原発安全神話を振りまいてきた(この点に関しては朝日も有罪であることは言うまでもないが)メディアは、本当に反省したところと、反省どころか開き直って原発推進の旗を振り続けるところに分かれている。激論を戦わせるのならばいくらやってもかまわないが、政治権力を使って一方を排除、破壊する行為は、言論そのものの死を意味するくらいのことに気づかないわけがない。

 もはや、言論機関ではない、政権翼賛機関紙(誌)が作り上げられつつある。
 その中では、いくらでも推進側の嘘がまかり通る。

◎原発なしでは電気料金が上昇する→真実は、原発があるから電気料金が上昇する
◎電力の安定供給には原発再稼働が必要→実際には再稼働した原発が台風、地震、火山噴火などで何基も止まれば、原発破壊がなくても電力供給は不安定になる
◎原発が止まって貿易赤字が拡大→貿易赤字が最大になった本当の原因は政府が意図して誘導した急激な円安
◎エネルギー安全保障の観点から原発は必要→実際に原発が賄っていたのは一次エネルギーのごくわずか。再稼働を強引に進めてもエネルギーの数パーセント程度に過ぎない。動力用の石油が枯渇したら電気がいくらあっても無意味。なお、再生エネルギーで賄うことが唯一かつ最もエネルギー供給を安定させる方法

 これだけの嘘をまき散らしてきた新聞は、記事を取り消しもしないし謝罪もしない。今の状況は、原発再稼働を進めるためには嘘も方便とさえ言いかねない。(Y)

*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.241(2014年10月5日発行)に掲載されたものです。
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