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朝日新聞はバッシングに屈せず、「吉田調書」の続報を出すべき

脱原発・東電株主運動事務局

 朝日新聞バッシングが止まらない。本来、メディアの大きな役割のひとつに「権力の監視」があるはずです。しかし今、いくつもの新聞、週刊誌は「権力の番犬」となって吠えたてています。
 バッシングされている朝日新聞もふがいない。11月12日に発表された第三者委員会の見解も完全に腰が引けています。このままでは権力に屈した「白虹(はっこう)事件」*の二の舞になってしまいます。

 「吉田証言」は信憑性が立証できないものであることは周知の事実。しかし、従軍慰安婦は日本軍が行った戦争犯罪であり、その事実は消し去る事ができない。と、朝日新聞は毅然と闘うべきなのです。池上彰さんのコラムの掲載拒否については明らかに失態ですから、これを前面に出すべきです。
 しかし、朝日新聞の木村伊量社長は、こともあろうに5月20日に特報部がスクープした「吉田調書」の記事を取消し、担当者処分を前面に出して謝罪しました。

 「吉田調書」のスクープは私たち東電株主代表訴訟の闘いにとっても大きな進展でした。これまでに山崎久隆さんをチューターに2回の勉強会を開いていますが、読めば読む程、現場は混乱していたことがわかります。
 携帯電話の充電すらできず、必要な情報が吉田所長の許に届かず、建設時期が異なるために号機毎に仕様や部品が異なり、しかもスキルを持っている担当下請けはおらず、図面を管理している下請けの女性社員は帰宅させてしまっていた……。吉田所長も「何度も死んだと思った」と恐怖を感じていたのです。
 東電本店では「全員撤退」が話し合われ、それを阻止するために菅直人首相が東電に乗り込む。そんな混乱の中で命令違反は起きたのです。起きて当然の混乱でした。

 朝日新聞がすべきことは、用意されていた「吉田調書」の続報を出すことです。内閣府は、この原稿を書いている12日、新たに公開の承諾を得た56人分の政府事故調の聴取結果を公開。合計で75人分が公開になったのも、朝日新聞の調査報道がなかったら実現していないことです。
 福島原発が地震と津波によってどのような事故になり、どのような英雄がいても献身的に闘う作業員がいても混乱してしまったという事実を報道すべきなのです。そしてその作業員がどのように被曝し病にかかっていくか、事故で流れた放射能が日本全土を、世界を汚染していく実態を明らかにすべきなのです。

 私は、ジャーナリストや作家に呼びかけ、朝日新聞に「吉田調書」の続報を出すよう、記者を守るよう「要望書」を提出しました。2日間で一般の方も含め192名の賛同をいただきました。他にも200名以上の弁護士さんが連名の要望書などを出されています。
 しかし今も、新聞社に限らずTV局にも、「原発事故報道はもうやめろ」「政府を批判するのは国賊だ」などと、物騒な脅しとも言える電話やメールが殺到しているとのこと。私たちも、良い報道にはエールを送り、「権力監視」という本来の仕事を報道機関ができるよう支えていかなければならないのです。(K)

*「白虹事件」とは
 1918年、米騒動に関して関西新聞社通信大会が開かれ、各社から寺内内閣への批判が噴出した。その大会の模様を報じた大阪朝日新聞の記事に、革命が起きる兆候を示す故事成語「白虹日を貫けり」があったため、新聞社は刷り直しをしたが、既に1万部が出回っており、当時の帝国憲法下の新聞法に触れるとして弾圧された。
 関西では大阪朝日新聞の不買運動が起こり、右翼団体が朝日新聞社長を襲撃。全裸にして電柱に縛り付け「国賊村山龍平」の札を下げた。それ以降、大阪朝日新聞は寺内内閣に屈服していった。この時代、1917年のロシア革命に影響されて自由主義、社会主義的な論調が新聞紙面に現れ、シベリア出兵に反対、大阪朝日新聞はその急先鋒だった。出兵が迫った7月30日には、全国で60もの新聞が発刊処分になっていた。

*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.242(2014年11月16日発行)に掲載されたものです。
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Posted by脱原発・東電株主運動事務局

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