脱原発・東電株主運動
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免震棟建設を見送る原発 川内が良いのならと他も追随
命より金
 東京新聞が2月7日に報じたところでは、再稼働を申請中の11原発で、免震機能を省く方向で検討していることが明らかになったという。
 「原発事故が起きた際の対策拠点をめぐり、電力各社が原子力規制委員会に新基準による審査を申請した全国十六原発のうち十一原発で、地震の揺れを緩和する免震機能をなくし、当初方針より規模も小さくするなどしていることが本紙の取材で分かった。必要最低限の施設を整え、低コストで早く審査を通したい各社の姿勢がうかがえ、東京電力福島第一原発事故の教訓はないがしろにされている。」数十億円の費用がかかるため難色を示す電力が多くなったということだ。

 この安全対策の値切りを規制委員会が「結果として」受け入れるならば、福島原発震災の教訓どころか、これまでの安全対策要求さえ放棄するものとなる。
 もともと「免震重要棟」と呼ばれる堅固な緊急対策施設が東電福島第一原発に存在したのは、中越沖地震により被災した柏崎刈羽原発の教訓からであった。

 その必要性は2007年から明白であったのに、東電が新潟県と福島県から要求されてやっと建てたものである。もし福島にそれがなかったならば、地震とその後の爆発による爆風で大破した事務棟に居続けることになった従業員と下請作業員に大量の死傷者が出た後、全員が退避を余儀なくされたであろう。

泉田裕彦新潟県知事の談話
「07年の中越沖地震の時、柏崎刈羽原発の東電のサイトと連絡が取れなくなりました。ホットラインのある建物が地震で歪んでドアが開かず、入れなかったというのですが、地震の際、事故は複合で起きるわけだから、ホットラインが使えないと困ると、かなり言ったんです。もう知事、そろそろいいんじゃないかという話も多々ありましたけど、断固としてやってくれと言った。そうしたら造ってくれたのが免震重要棟なんです。あわせて、福島にも免震重要棟を造った。完成したのが、東日本大震災の8か月前でした。だからあの時、私がひよって、言うべきことを言わなかったら、あの福島に免震重要棟はなかったんですよ。免震重要棟がなかったら、いま東京に住めないんじゃないですか。」(「注目の人直撃インタビュー」より、日刊ゲンダイ2013年10月24日)

 免震重要棟がなかった場合、1号機の真横に建っている事務本館で収束作業を行うことになったが、地震の被害を受けていた上、原発の爆発をまともに受け、大勢の犠牲者が出て、緊急対策施設としては機能を失ったであろう(幸い、事務本館は入室禁止で、爆発時に誰も居なかった)。そのため作業ができる人は誰も居なくなり、結果として関東一帯を含む170から250キロ圏が居住不能地域になったかもしれない。被災者は3000万人にも上ったであろう。

 東電の清水正孝社長(当時)も2012年の国会事故調の参考人聴取で「あれ(免震棟)がなかったら、と思うとぞっとする」と証言している(国会福島原発事故調査委員会・第18回委員会にて2012年6月8日)

 それでも福島第一の免震重要棟は、災害規模に対して狭すぎた。現場作業を行った人々はろくに休むところもなく、廊下や床に段ボールを敷いて寝ていたという。おそらく体調を崩す人が大勢いただろう。また、事故を起こした原発にも近すぎて、いわゆる「撤退」問題が生じた理由の一つも立地点の悪さだった。

 万一、4、5、6号機の炉心も崩壊するような事故だったら、免震重要棟も放棄せざるを得なかった。
 死にたくないのだったら原発職員こそ声を上げるべきだ。

免震機能設備は規制基準の要求だ
 免震棟は九電の社長が言うように、同じような機能があればいいという程度のものではない。「基準規則第61条」には「重大事故等に対処するために必要な指示を行う要員がとどまることができ」「重大事故等に対処するために必要な情報を把握できる設備を設けたもので」「内外の通信連絡をする必要のある場所と通信連絡を行う」ことができることと規定しているが、その法令解釈は「基準地震動による地震力に対し、免震機能等により、緊急時対策所の機能を喪失しないようにする」ことである。そして「例えば、設計基準事故対処設備は剛構造であるのに対し、特定重大事故等対処施設に属する設備については、免震または制震構造を有することをいう」(関西電力、高浜原発・設置許可規則基準規則と技術基準規則の比較表より)としている。

 緊急時対策所の機能喪失を防ぐには免震機能でなくてはならない。それは耐震(岩盤に岩着させて強固に作ること)構造だけでは出来ない。耐震構造ならば原発こそ最も高い耐震性を有するが、福島第一原発で見ても分かるとおり、建屋がどんなに頑丈に出来ていても、大きな揺れに揺さぶられて内部の構造が破壊されては元も子もない。特に電源や配管周りは脆弱であり、建物が強固であればあるほど、附属設備がちょっとでも脆弱ならば破壊される。

 現在要求されている免震機能は重大事故時の緊急対策所なので、指揮命令を行うスタッフが常駐し、大勢の人々が待機できるスペースと、第二制御室の設備にバックアップの電源装置、冷却材を注入する設備配管などが複雑に設置されるはずだ。こんなものを剛構造で作るならば、原発をもう一基建てるほどの金を内部設備にかけなければ無理だろう。もとより事業者は、そんなことをする気はさらさらない。

 そのような災害が予見できる時に、事故収束の拠点となる施設を免震構造で安定した設備として作る必要性を認めない電力会社に、そもそも核を扱う資格などない。これだけで原発の設置許可が取り消されてしかるべきだ。

運転許可を取り消すべき

 規制基準において義務づけられる機能を有しないままに再稼働するような電力会社は、直ちに運転認可を取り消すべきだ。
 これは地元に対しても背信行為であり、今地震に襲われれば直ちに危険な事態になるわけだから、運転許可を出したことは誤りである。

 東京新聞が調査して、免震機能のない「安普請の」設備に変えていた原発は、北陸電力志賀原発など11原発にのぼり、当初計画通りの施設整備をしたのは、東京電力柏崎刈羽原発と中国電力島根原発だけだったという。
 これらについては、想定される基準地震動に問題が無いか、敷地内に地震で動く断層が無いかを焦点とするべきである。(Y)
*脱原発・東電株主運動ニュースNo.254(2016年2月14日発行)より。
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