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東電代表執行役を「違法行為差止め」で提訴

脱原発・東電株主運動事務局

2018 年7 月、株主運動のメンバー3名は、東電の代表執行役に対して、日本原電の東海
第二原発が新規制基準に適合するために必要な工事の費用を支援することを差し止めるこ
とを求める仮処分を申し立てました。
 東電は、経済的支援を決定していないと言い張りました。片や、訴訟外では、規制委員
会が、東電による経済的支援の意向表明を受けて、日本原電が「経理的基礎」の要件を満
たすと判断し、東海第二原発の設置変更許可処分を出しました。
 そして東京地裁民事部は同年11 月15 日、東電が「日本原電に対して経済的支援をする
か否か及びその前提条件や具体的方法、金額がいまだ決定されていない現時点において、
補助参加人に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるために、保全処分として本件各行
為を差し止める必要性があるとは認め難い」として、保全の必要性がないと判示し、申立
を退けたのです。
 これを受けて、東京高裁に対して即時抗告を申し立てましたが、東京高裁は、原決定が
相当であるとして棄却しました(同年12 月27 日)。
 そこで、東電の株主総会を目前に6月18 日、株主運動の2人で、改めて東電の業務執行権
を持つ代表執行役を相手に「違法行為差し止め」の訴えを起こしました。

2019/6/18(火)東京電力の日本原電出資差し止め停止を求める訴訟提起記者会見の模様↓
※脱原発・東電株主運動世話人:木村結による説明は、10:05~


 違法行為差し止めの訴えは、役員個人に対して起こすものですが、東電は仮処分の時も
株主代表訴訟の時同様に、役員を守るために補助参加してきました。26 日の株主総会では、
被告である小早川智明、文挟(ふばさみ)誠一、守谷誠二(今後提訴予定)を前に、「違法行為
差し止め」の訴えを起こしたことを、会場の約1000 名の株主に伝えました。
 訴状の要旨は、東電の取締役会が日本原電の東海第二原発の工事費用について経済的支
援をする意向を示したことから、その経済的支援を行うことを差し止める判決を求めるも
のです。
 理由は、大まかには次のとおりです。
東電の代表執行役は、業務の執行に際しては、東電の利益、株主の利益を害さないよう
慎重に検討、判断すべき善管注意義務及び忠実義務を負う。
 しかし、本件の経済的支援は、以下に述べるとおり、他社を支援する体力を有さない東
電が、よりによって回収可能性が極めて乏しいままに巨額の経済的支援を行うものであり、
東電の利益、株主の利益を害するといえ、善管注意義務、忠実義務に違反する。
 日本原電は、原発専業にもかかわらず、福島第一原発事故以降、全ての原発が停止して
おり、発電できていない。
 日本原電は、毎年、合計1000 億円を超える基本料金を東電、関電、北電、東北電力な
どから支払われて、辛くも存在している。
 日本原電は、東海第二原発と敦賀原発2号機を再稼働しようとしているが、敦賀2号機
は、規制委員会が原子炉直下に活断層があると指摘したため、新規制基準適合性審査に通
る見通しは立っていない。
 規制委員会は、発電をしていない日本原電が、東海第二原発について新規制基準への対
応工事にかかる費用1740 億円を確保できるのか(原発の設置変更許可の要件である「経
理的基礎」を満たすのか)を確認するため、日本原電に対して「資金調達の確実性が判断
できる書類、すなわち、債務保証が可能な関係者、あるいは、資金支援が可能な関係者な
どからの適切な書面を付して提出」などを求めた。
 なお、日本原電が規制委員会へ提出した資料により、日本原電は2018 年度から2020
年度の3年間で327 億円しか用意できないこと、他は東電などの支援をあてにしているこ
とが明らかになった。
 日本原電は、規制委員会の求めを受けて、東電などに、資金支援する意向を有している
旨を書面にて表明いただきたいと要請した。
東電は、日本原電からの要請を受けて、2018年3月30 日に、日本原電に対して、「新規制
基準適合性に係る工事の所要資金のうち、貴社の自己資金を超える分について、東京電力
エナジーパートナーの受電比率相当分を上限に、今後貴社から十分な説明及び情報の提示
がなされることを前提として、工事計画認可取得後に資金支援を行う意向があることを表
明」と書面にて回答した。
 日本原電は、規制委員会に対して、東電のこの書面回答(東北電力もほぼ同内容)を提
出し、東電と東北電力が確実に東海第二原発の工事費用を経済的に支援してくれると考え
ていると回答した。
 これらを受けて規制委員会は、日本原電が「経理的基礎」の要件を満たすとして設置変更
許可処分を行なった(2018 年9 月26 日)。
 東海第二原発の工事計画認可は、同年10月18 日に出された。東海第二原発を新規制
基準に適合させる工事は2021 年3 月末までに終了予定だが、現時点で約1年8ヶ月しか
残っていない。
 日本原電は、2019 年2月7日には防潮堤設置場所の調査や資機材の搬入、干渉物調査
等を進めているとし、同年2月22 日には「これから大規模な工事に入る」としている。着
工時に工事費用の経済的支援がなされると考えられ、着工は迫っている。
 東海第二原発は老朽原発であり、2018 年11 月7日に運転延長認可を受けて20 年の運
転期間延長になり、最長で2038 年11 月7日まで運転できる。
 しかし、新規制基準への対応工事の終了予定は、2021 年3月とも2023 年1月ともいわ
れている。そうすると、運転期間は15 年から17 年程度しかない。運転期間が短くなれ
ばなるほど資金回収はより困難になる。
 また、テロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の設置が間に合わなければ、運転停止
になるが、東海第二原発は設置変更許可申請がまだ提出されていない上に、資金調達も難
航すると考えられる。この点でも運転期間が短くなる可能性がある。
 また、東海第二原発の再稼働にあたっては、30km 圏の自治体(安全協定を結んだ6 市村)
の事前了解が必要である。しかし、世耕経済産業大臣も「しっかりとした避難計画がない
中で、原発の再稼働が実態として進むことはない」と述べるとおり、自治体の首長や自治
体は、実効性ある避難計画の策定ができないとして、次々に再稼働に反対する意見を表明
している。茨城県だけで29 自治体にものぼる。
 経済的支援の方法は明らかにされていないが、電気料金の前払いや、債務保証など、ど
の方法でも回収可能性は極めて乏しく、東電が損害を被ることは明らかであり、株主とし
ては容認できない。
 東電は、福島第一原発事故によって生じた莫大な賠償費用、除染費用、廃炉費用を自社
で負担することができなくなり、2011 年5月10 日に国に対して支援を求めた。これを受け
て、国は東電に巨額の支援をした。2018 年3月に会計検査院が公表した試算によると、
長の場合として、国が東電へ支援した資金の回収を終えるのに2051 年度まで要する。そ
の間に国(国民)が負担することになる利息は約2182 億円になると試算した。回収の方
法は、東電やその他電力会社の一般負担金などによることから、国民への電気料金に上乗
せされるなど、巨額の費用の大半を国民が最終的に負担することになると考えられる。
 東海第二原発への東電の支援に反対する理由は100 ほども書きたいところですが、この
提訴で東電や日本原電が規制委員会に提出した生の資料を提出させ、法廷で決着をつける
ことができればと思っています。
 初の口頭弁論は、
7月26 日(金)15 時30分、東京地裁7階706 号法廷。
定員50 名の法廷なので、ぜひ傍聴をお願いします。
 その後、さくら共同法律事務所の地下会議室にて訴訟の報告&解説会があります。河合
弘之&大河陽子弁護士が話をします。(木村結)
*脱原発・東電株主運動No.285(2019年7/14発行)より
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Posted by脱原発・東電株主運動事務局

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