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避難から9年目の夏を迎えて

脱原発・東電株主運動事務局

2019/8/29、東電原子力センターと市民グループ「東電と共に脱原発をめざす会(共の会)」の間で
行われた定例の対話会において、事故当時小学生ー現在高校生の避難者が話してくれた内容を
掲載します。
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避難から9年目の夏を迎えて

簡単に「謝罪」とは言わないでください
 僕は16歳。高校2年生です。原発事故の時は8歳。小学校2年生でした。
 これから僕が言うことは、生意気に思えるかもしれませんが聞いてください。
 僕は、ここにおられる皆さん(注:東電原子力センターの人々)が原発事故を
わざと起こしたわけではないことを知っています。
 だから皆さんの中には、交通事故の加害者のように、たまたま不運だったと感じられている方も
いらっしゃるかと思います。自分が運転していたわけでもないのに と思っている方もいらっしゃると思います。
 でも、車が無ければ交通事故は起きませんし、車があったとしても、動かしていなければ、交通事故は起きないのです。
 原発事故も同じです。8年前のあの日、原発が稼働していなければ、今僕が、ここに来ることもなかったと思います。
 僕の裁判ではありませんが、原告側が自殺したような裁判では、裁判が終わった後、東電の方々が死者の
墓前に謝罪に来るということもありました。
 でも、死んだ方は決して蘇りませんし、皆さんの謝罪を受け入れることも、許すこともできません。
 遺族の悲しみも、死ぬまで消えることはありませんし、癒されることもありません。
 でも、いつまでも皆さんを恨んでいては自分が辛すぎるので、恨むことだけはやめようと
謝罪を受け入れているにすぎません。
 同じように、被曝によって病気になった人や、原発事故に起因するいじめで苦しんだ人も、
奪われた時間や過去の苦痛、トラウマなどを消すことはできません。
 まず最初に東電の皆さまに伝えたいことは、本当に加害したことを認め、その罪を償おうとする気が
ないのに、適当に謝罪して終わらせようとしないでくださいということです。
 謝罪とは本当に重いものなのです。全く被害者に向き合ってもいないのに謝罪したことに
するのは本当に許せないです。

失われた原発震災前の生活
 僕は、福島県いわき市で生まれ、両親と5歳離れた弟と共に生活していました。
春になれば、テレビで紹介されるほど桜並木の有名な公園でお花見をし、夏は潮干狩りに行き、
秋はキノコ狩りをして、冬は雪だるまをつくる。
 公園や学校の帰りの通学路でツクシをたくさん採って帰って、お母さんに作ってもらうツクシの佃煮が好きでした。
 家も庭も広く、ブルーベリーやシイタケ、ミニトマトなどは庭で収穫することが出来ました。
 しかし、2011年3月11日の福島原発事故を境に、このような生活は全てなくなってしまいました。
僕は福島を離れて避難し、東京の子になりました。
 政府は僕の街には避難指示を出さなかったけれど、実際に測定した放射能汚染はとても酷く、
避難指示区域よりずっと広い範囲に広がっていたので、被曝を避けるために、いわゆる自主避難者になったのです。
 毎年お花見をしていた夜ノ森公園にも沢山の放射能が降り、泥だんごをつくった庭の土は、
7年が過ぎた今でも放射能だらけです。しかし、何よりも一番つらかったのは、転校先でのいじめでした。

避難先で「いじめ」にあう
 図工の時間に作った工作品に悪口を書かれたり、菌扱いされたりしました。
 些細なことで、一方的に暴力をふるわれるので、休み時間に外で遊ぶのが怖くなりました。
 そのようなことが続き、「出来ることなら死んでしまいたい」と常に思うようになりました。
9歳頃の願い事には「天国に行きたい」と書いたこともありました。
 今思うと、原発事故の被害者について、よく知らない人たちの目には、僕たちは
「家が壊れていないのに、何も被害はないのに、多額の賠償金だけもらって東京にタダで住んでいるズルイ人たち」
としか見えなかったのでしょう。東京電力や国が、放射能汚染の恐ろしさや、汚染の実態を隠蔽しなければ、
そして僕たちのような区域外避難者にはほとんど賠償金が支払われていないことなどを、
きちんと広く伝えてくれていれば、こんなことは起きなかったと思います。
 その生活があまりにも辛かったので、僕は中学生になるときに、今までの学校とは全く違う、
遠い中学校に進学し、自分が避難者だということを隠しました。
 すると、いじめは全く起きませんでした。僕はいじめのない学校生活が、こんなにも平和だったのかと驚きました。
初めて出来た友達と過ごす中学校生活は幸せそのものでした。

「いじめ」がなくなっても辛い気持ちは消えない
 しかし、2年3年と時が経つうちに、だんだん心が辛くなってきました。
 自分が避難者であることを隠すということは、自分が福島で生まれたことも、
被曝を避けるために避難しているということも、避難住宅に住んでいることも、
避難生活自体が不安定で本当はすごく辛いということも、まだ汚染があって帰れないのに
政府からは福島へ帰るように言われていることも、何一つ友人に話せないということなのです。
 それは、僕の大部分を隠して生きているということです。
 親友を作りたくても、何一つ、自分のことを語れません。少しでも、自分の思いを語ろうとすると、
福島のことが足かせになり、語れなくなるのです。
 友人たちが政治や経済の話をしていると、すごく自分の思いを語りたくなります。でも結局、
うわべだけしか話せない。何故、僕が原発政策に反対する気持ちをもっているのか、その裏にある自分自身の
苦しみを語ることができません。
 被曝も汚染も、壊されたコミュニティーも、様々な理不尽が、本当は自分の問題なのに、
親友に語ることもできない。保身のために、福島のことは話さない、と自分で決めたのに、
それを辛いと思う自分自身が許せなくなり、心が砕け散りそうになりました。
 僕らは悪いことをしたわけでもないのに、まるで犯人のように名前も顔も隠さなければなりません。
でも、顔や名前を出さない人の証言を、誰が信じてくれるでしょうか? それもまた、大きなジレンマでした。
 僕は何年も悩みに悩んだ結果、自分のことを隠すのをやめ、証言していくことを決意しました。
 今日、ここに来られたのは、その決意があったからです。多くの同じような苦しみを抱えた子どもは、
その辛さを声にすることさえできません

<ブログ管理者より>
2019/9発足の改造内閣で任命された新復興大臣の発言です。
納税者として有権者として、考えるべき要素が満載ではないでしょうか?
出典:OurPlanet-TV

事故の責任をとってほしい
 原発によって儲かったのは大人。原発を造ったのも大人だし、原発事故を起こしたのも大人。
しかし、家族が離ればなれになるのも、「将来、病気になるかも」と不安の中で生きるのも、
学校でいじめに怯えて苦しむのも僕たち子どもです
 残念ながら放射性物質の寿命は、僕たちの寿命より長いのです。被曝の影響が出るのは、
10年、20年、40年先になるかもしれません。
 だから僕は、これからも本当に福島が安全になるまで、避難を続けたいと思っています。
でも、それを隠しながら生活するのは、本当に辛いのです。
 何故、僕らは、避難しているというだけで、いじめられるのでしょう。子どもだけではありません。
大人たちも様々な差別やいじめ、誹謗中傷を受けています。
 望むと望まざるとにかかわらず、僕たちはこれから、大人の出した汚染物質とともに生きることになります
 一方で、僕らの口を塞ぎ、加害を隠そうとする大人たちの多くは、本当の被害を見ないうちに、
先に寿命が来て死んでしまうでしょう。でもそんな逃げ方が赦されるのでしょうか?
 儲けるだけ儲けて、たくさんの嘘をついて、日本だけでなく世界の海を汚したまま、そのつけを全部
僕たち子どもに背負わせて、先に死んでしまうなんて酷すぎます。

将来に向けてぜひ伝えてほしいこと
 僕の語れない想いは溢れるばかりです。
 多分、僕の本当の望みは、きっと、ごく普通に隠し事の無い社会で平和に暮らしたい
ということだけなのだと思います。
 しかし、原発事故被害者は今の日本の社会の中で、なにかに目をつぶり、耳を塞ぎ、口を閉ざさなければ、
安全に生きていくことさえできません。
 ただ、東電の皆様が誠心誠意、被害者のために動いてくれれば、その現状を変えることができます。
 原発事故がどれほど深刻であるか、今も汚染が続いているばかりか、僕らが死ぬ頃になっても
元通りにはならないということや、僕たちが避難しているのは、被曝を避けるという合理的な理由が
あるからだということ、そういう本当のことをきちんと広報してくれるだけでも、僕らへのいじめや差別はうんと減ります。
 被害を消すことはできませんが、その被害を認め、悔い改めることはできるはずです。
どうか僕たちをこれ以上苦しませないでください。お願いします。(避難者:Kさん)
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