脱原発・東電株主運動
NUCLEAR PHASE-OUT TEPCO SHAREHOLDER'S MOVEMENT
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東京電力第79回定時株主総会共同株主提案議案 2003/03/16
第1号議案 利益処分案承認の件

●議案内容

 取締役と監査役の役員賞与金を0円とする。

●提案の理由

 昨年公にされた原発検査データの捏造、隠蔽、偽装の結果、我が社は信用という最大の財産を始め、予定外の燃料費出費など、多大な損失をこうむった。役員の経営責任は重大であり、賞与金など支払うわけにはいかない。

 思い起こせば当株主運動は、1989年の福島原発の再循環ポンプ破損事故の真相究明のため発足した「市民事故調査委員会」と並行して始まった。当初私たちは、米国の情報自由法を利用して、我が社と米国原子力メーカーの事故解析データを、同国原子力規制委員会から取り寄せるほかなかったのである。その結果、相当程度まで我が社のうそを暴き事故の真相に迫った。その一方で、事故防止の観点から会社側と信頼関係を作ろうと努力してきた。

 しかし残念ながら安全管理を軽視する我が社の体質は変わらなかった。ここで今、役員の責任を明確にしておかなければ「虚構の安全性」に依拠した原発の破局が、やがて銀行破綻のようにやってくるだろう。

第2号議案 定款一部変更の件(1)

●議案内容
 以下の章を新設する。

第●章 取締役と監査役の退職慰労金

第○条 取締役と監査役の退職慰労金は、業績概要と金額を個々人ごとに明示した上で株主総会で承認を受けなければならない。

第○条 取締役と監査役は、退任後であっても、在任中の業績に不正、虚偽、あるいは著しい管理不行き届きがあったことが判明した場合、すでに受け取った退職慰労金は会社に返還しなければならない。

●提案の理由

 昨夏発覚した我が社の不正問題は、偽装工作までして国の合格証を詐取し、営業運転停止処分や東京地検特捜部の捜査を受けるなど、不名誉極まりない事態を招いている。この責任をとって、荒木会長、南社長、榎本原子力本部長らは「知らなかった申し訳ない」と白々しく釈明して退任。前2者は相談役に納まった。またこの企業体質から来る不正行為に関与・関知していた元経営陣は、事実を隠蔽したまま高額の退職慰労金を受け取って退任した後であった(元会長の平岩外四、那須翔、元原子力本部長の池亀亮、加納時男など)。

 彼らは株主総会で「原発は厳格な定期点検や的確な予防保全に万全を期しており」「劣化、老朽化の影響がないことを確認し」「必要な資格を有する者により厳格かつ適正に行われており」等々、検査の万全性を強調していた。 結局、彼らの退職慰労金は、株主を騙して承認を受けた不当利得である。これらの返還を求めることを制度化する。

第3号議案 定款一部変更の件(2)

●議案内容

 以下の章を新設する。

第●章 原発の休炉

第○条 点検のため休止した原発は、そのまま休炉とする。

第○条 休炉原発は、亀裂の原因が究明され、百%信頼できる検査技術が確立されない限り、亀裂を放置したままの稼働は行わない。

●提案の理由

 我が社の原発は今、技術上の深刻な問題に直面している。不正発覚後の詳細点検で、比較的新しい原子炉の重要配管や炉内構造物にも、殆ど例外なく亀裂が検出されたのだ。

 このキズはステンレスの応力腐食割れによるとされるが、原子炉という過酷な環境下では防ぎきれないことが最近判明した。キズの続出は、同現象の要因の一つである残留応力を緩和する工程を省いても、改良した素材を使うことで解決できると過信した結果である。その上従来の配管内面の検査方法は信頼できないという新事実も浮上、キズの程度を評価する国の健全性評価も完全に意味を失った。

 地元住民の不安、不信に応える術はもはやない。検査のしようがないのに、いつどこにキズが発生するか不明であることほど恐ろしいことはない。百%の検査ができない以上、点検のために停止した我が社の17基の原発はこのまま止めておくほかない。無益な検査による不必要な出費と被曝作業を避けるためにも。

第4号議案 定款一部変更の件(3)

●議案内容

第●章 新電源の開発・促進と、原子力を除く従来の電源の有効利用、効率アップ

第○条 当社は、需要家の需要に無制限に応えることなく、極力供給力の範囲内に抑えるとともに、脱原子力を可能にするため以下の措置をとり、もってクリーンな会社として新しい一歩を踏み出すものとする。

     (1)電力需要の平準化
       節電の積極的PR
       大口電力需給調整契約の推進
     (2)発電効率のアップ
       火力のリパワリング
       ガス複合発電への転換
     (3)新エネルギーの活用・開発
       太陽光・太陽熱・バイオマス・波力・地熱・
       雪氷エネルギー・燃料電池等
     (4)買電の促進
     (5)他電力との融通
     (6)分散型電源(地域密着型)の推進

●提案の理由

 前議案の提案理由に述べたように、我が社の原発は到底地元の理解を得られないような危険な状況にあり、たとえ需要をまかなえない事態であったとしても、現在稼働すべきではない。

 原発の急激な閉鎖は社会への影響甚大と否定されてきたが、我が社は自らの手でわずか1年足らずのうちに全機停止を実現し、なんら社会不安を招かないことを実証した。

 冬のピーク時、原発は半分以下の稼働率で乗り切った。残るはわずか数日間の今夏のピーク。当面は火力の発電効率を最大限アップするとともに、節電の積極的PRや大口電力の需給調整協力など需要抑制・平準化に励む。長期的には再生可能エネルギーの活用・開発や分散型電源に力を入れる。それは全面自由化時代の需要減への対策としても有効であり、これを機にクリーンな会社として生まれ変わる一歩とする。原発立地地域の経済への責任は、たとえば成長株の燃料電池産業を新たに起こすことで可能となる。実行あるのみ。

第5号議案 定款一部変更の件(4)

●議案内容

 以下の章を新設する。

第●章 再処理事業からの撤退

第○条 当社は使用済み核燃料再処理事業から撤退する。

●提案の理由

 我が社は日本原燃に対し、原発で使用済みのウラン核燃料から、プルトニウムを取り出す再処理を委託しており、同社が青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場に、すでに使用済み核燃料約280トンを搬入し、再処理費の一部2552億円を前払いした。工場建設費も我が社が一部負担し、債務保証も与える計画である。しかるに、1999年の予定だった再処理工場の操業開始は、安全上の問題多発で現在は2005年7月にずれ込んでおり、更なる延期も予想される。

 一昨年には使用済み核燃料貯蔵プ-ルから放射能を含んだ漏水が続き、不良溶接が原因と判明した。本年2月にも核燃料送り出しピットという別の重要箇所で漏水が発覚し、不良溶接を隠す為の研磨痕が見つかった。日本原燃は、施行および使用前検査の過程で度々不良溶接を見逃しており、将来過酷事故も予測され、我が社は責任を免れない。再処理事業は我が社の過重経営リスクであり、撤退すべきである。

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